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16.USBデジタルオシロ「ISDS205A」 (2021.6.3) 小型コンピューターのRaspberry Pi学習を再開してから、個人的に色々と作りたい物が出てきました。そんな時に手元にあれば強い見方になるのが測定器です。特に直接信号波形やレベルを確認できるオシロスコープは、本来であれば必須とも言えるアイテムです。実はこれまで家電やパソコンを中心に修理をしてきましたが、大部分は経験や勘に頼るもので、予想が的中すれば良いのですが、そうそういつもうまくいくわけではありませんでした。なにせ使えるものは大昔に買った小型テスターだけです。導通や電圧レベル程度は見られても、実際の信号の状態はほとんどわからないわけで、修理と言ってもまさに暗中模索だったわけです。ちゃんとした測定器が欲しいと、以前からそう思うのも無理からぬことでした。 かなり前の一時期、手元には中古で買った古いアナログのオシロスコープがありました。ですが当時はほとんど使う機会も無く、普段は大きくて重いだけで邪魔にしかならないことから、とっくの昔に処分してしまいました。ところが修理や電子工作的なことをやろうとすると、あればやはり便利だと思うのは当然です。しかし、あんなデカいものは今でも邪魔だし、小型のデジタルオシロを買うとなると高価で簡単に手を出せるとも思えません。ずっと棚上げ状態のまま現在に至るわけですが、最近になってRaspberry Pi絡みで必要性を感じるようになり、久しぶりにオシロの現状を調べてみることにしました。 以前からPCに接続して使うオシロがあることは知っていたのですが、改めてネットを当たるとその価格の安さに驚きました。オモチャのようなものでも数万円はすると思っていましたが、安いものなら3000円台でも買えることを知ったのです。同時にスタンドアロンのデジタルオシロも、2万円台位からあることがわかりました。コンピューターが目に見えて安くなったことは実感していましたが、測定器もここまで安くなっていたとは驚きです。性能を考えるならスタンドアロンである程度の価格のものが欲しいところですが、電子工作レベルでさほど高度なことをやるわけでも無く、重視するのは何と言ってもコストパフォーマンスです。とは言え、安過ぎて使い物にならないのでは意味がありませんから、それなりのものをチョイスしなければなりません。色々調べて決定したのが、今回紹介するInstrustar製の「ISDS205A」です。 どうやら中国のメーカーのようで、最近ではこうしたものまで中国製が躍進しているようです。何と言っても価格が安いのが最大の魅力で、後は性能次第と言ったところです。残念ながらこの手のものはレビュー的な記事が少なくて、参考になるような情報はほとんど得られませんでした。それでもネットでの評価はまずまず良いようなので、半分お試し感覚で購入に踏み切りました。ちょうど楽天モバイルで得た大量のポイントがあったので、消化するのに都合が良かったこともあります。普段はamazonでの購入がほとんどですが、今回は楽天市場での買い物となりました。商品価格9125円(税込)+送料890円と、これだけのものが1万円程度で入手できるのですから、実に良い時代になったものです。参考までに、更に安いところでは7000円程でも購入できるようなので、探せばもっとお得に購入できるかもしれません。購入に当たって迷ったのは、同程度の性能のHANTEK製「6022BE」です。こちらの方が信頼性や一般的な評価が高い印象でしたが、ACカップリング入力が省略されていることで除外しました。
楽天市場での買い物は初めてでしたが、配送は非常に速くて午前中に注文したら翌日の朝には届きました。予想以上に化粧箱は小さく、パッケージには写真のものが入っていました。他に日本語の説明書のようなものが付いていましたが、おまけ程度でマニュアルと言えるようなものではありません。基本的な使い方はアプリを弄れば何となくわかりますが、細かな点はメーカーサイトからPDF版マニュアル(英語)をダウンロードして確認することにします。ついでにソフトも最新版をダウンロードしました。ネットの情報では、添付のもの(ミニCD)は使わない方が良さそうだったからです。本機はWindowsXpでも動作するため、古いPCが眠っていたら有効活用できます。私も手元に整備したバラックがあったので、そのXpマザーで使うことにしました。ソフトをインストールすれば、すぐにオシロを使える状態になります。導入に向けての難しい点は何もありません。 まだチェック程度の段階ですが、第一印象はノイズがやや大きいと感じたことです。USBから電源を得ているので、最初からある程度予想されたことでした。私自身が岩崎通信やテクトロニクスのオシロしか使ったことが無いので、そもそもが比較対象にはなりません。多少気にはなりますが、ホビーユースでは全く問題無いレベルだと思います。基準信号を見る限りプローブもきちんと校正されていて、改めて波形を調整する必要はありませんでした。個人的な感想を言えば、価格からしても素晴らしいの一言です。小中学生でもお年玉で購入できるような価格だし、タブレットPC等と共に一家に一台常備しても良いとさえ思います。学校でもプログラム教育に加えて、こうした機器を使った学習も取り入れるべきです。ハード・ソフトの両面で、きっとこれからの高度な技術者育成に役立つはずです。 製品的には優れているものの、きちんとした日本語マニュアルが無いのはやはりマイナスです。マニュアル作りなど大したコストがかかるとも思えないので、もう少しメーカー側に配慮があれば信頼も沸くというものです。かつての日本なら、必ずその国の言語でしっかりしたマニュアルを添付したでしょうから、そう言う点は見習って欲しいものです。もっとも、最近は日本製品もマニュアルを軽視する傾向があるので、他山の石として反省すべきだと個人的には思います。 せっかくの良いツールなので、しっかり活用できるように少し細かく製品を見て行くことにします。まずは本体ですが、大きさは外付けのFDドライブ程度で結構コンパクトです。シールドのせいか、大きさの割りにどっしりとした重さがあります。全体のデザインは結構イケてると思うのですが、本体側面のメーカーロゴは正直ダサいと感じます。端の方にさりげなく存在をアピールするものなら良いのですが、あれだけデカデカと印刷されていると嫌味にしか見えません。この辺り、中国らしいと言えば中国らしいのですが、日本人の感覚ではアクが強過ぎます。ネットの評価では塗装がハゲていたとか傷があるとか色々難点が書かれているようですが、手元の製品はいずれも問題無く良好な状態です。比較的息の長い商品のようなので、恐らく地道な努力で品質を改善した結果なのでしょう。 オシロが2チャンネルなので、プローブは2本付属します。昔ならプローブ1本でもこの製品価格くらいはしたはずなので、本当に隔世の感があります。決して高級品には見えませんが、さりとて安物のオマケにも見えません。そこそこしっかりした作りで、実用上問題無いレベルのものです。欲を言えばプローブ先端のクリップのバネが強くてやや使いにくいので、もう少し柔らかい感じにした方が良いと思います。GND用のクリップも然りです。製品側のUSBコネクタは最近あまりお目にかからないBタイプ(四角い大型)ですが、接触不良になりにくいメリットがあるのでしょう。本製品はコンパクトで別途電源も必要無いため携帯性は抜群です。ノートパソコン等といっしょに持ち歩けば、活用の幅は大きく広がることでしょう。 次はソフトに関してです。インストール後にデスクトップに作られたアイコンをダブルクリックすれば起動します。仕様では古いPentium機でも動作するようなので、ハードウェアに要求されるスペックはほとんど問題になりません。最近の高性能パソコンなら全く支障無く使えるでしょう。私が導入したパソコンはAMDのAM1プラットフォームで、処理能力はさほど高いものではありませんが、特に気になるような点はありません。普通に使えます。
基準信号波形は2V P-Pなので、上図の波形を見ればノイズレベルが大体つかめると思います。数mV程度の微小電圧を測定する必要が無ければ、神経質になることも無いはずです。方形波もきちんと測定できていて、波形のなまりもほとんどありません。1KHzの信号に対して1.001KHzの測定値は予想以上の高性能です。電圧も基準が2Vに対して2.055Vとかなり優秀なレベルで、ホビーユースにはもったいないくらいです。測定ウインドウのパネルデザインはスタンドアロンのオシロを踏襲しているので、簡単な測定ならすぐに使いこなせそうです。好みの問題かもしれませんが、アナログ式の回転タイプのセレクタをそのままデザインしているため、マウスだとやや使いづらい点もあるかもしれません。個人的にはスライダ式にした方が、操作しやすいのではと感じました。まだほんの手始めの確認に過ぎないので、今後実際に使用してみて改めてレビューを追記するつもりです。
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