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12.きれいにプラスチック筐体を分離する (2017.7.28) 昔から使われてきた手法ですが、プラスチック製品の組み立てにおいては、合わせ目にハメ込み式が多く使われています。2つの部品を比較的強固かつきれいに固定(外観に影響を与えない)することができる上、接着剤と違って再び分離することができ、更にビスを使わないので部品代や組み立てコストを削減できるメリットがあります。コストダウンを最優先に考えると、3番目のメリットは製造メーカーにとって最大の魅力だと言えます。その反面、設計にもよりますが分離が比較的難しく、分離の際に固定用のツメを折ったり筐体を破損するリスクが高まります。修理等のメンテナンスを考えると、とても最適な方法とは思えません。それでも昨今多用されるのは、最初から分解修理を考えないメーカー側の姿勢によるところが大きいのでしょう。 現実的な分離方法を考えた場合、力任せに無理やり引きはがすのはご法度です。壊して廃棄するなら別ですが、修理等で元に戻すことが前提なら当然です。そこで一般的には工具を使って丁寧にツメを外す方法がとられ、大抵はスクレーバーと呼ばれる金属ヘラが用いられます。この工具は元々シールやステッカー等をはがすのに使われるもので、ホームセンター等でも様々なサイズの物が売られています。丈夫で扱いやすいので便利ではありますが、材質が金属なのでプラスチックに傷が付きやすい欠点があります。そのため同じプラスチック製の薄い板状のものが求められ、そこで登場するのが使い切ったテレフォンカードや期限の切れたキャッシュカード等です。しかし、どちらも強度が十分とは言えず、サイズも大きいので小型の機器等では使いづらい面があります。 ノートパソコン等の精密機器を分解するのに、何か他に良いものが無いかと身の回りを見渡していたら、母が以前使っていた大正琴のピックが目に留まりました。手に持ってみるとサイズも小さくて、適度な弾力と硬さを備えていて扱いやすそうに見えたのです。そこで実際に分離に使用してみたところ、なかなか調子が良いことがわかり紹介することにしました。弦楽器のピックなら他の楽器のものも使えると思うので、色々試してみると良いでしょう。できるだけ薄くて丈夫で、少々硬めの材質が適しています。最初使っていたものはとても具合が良かったのですが、何度も酷使して割れてしまったので、下の写真は最近入手したものです。硬さは手頃な感じですが、少し厚目なのでもう少し薄い(1/2~2/3位の厚さ)ものが適当だと思います。
これを筐体の合わせ目に差し込み、合わせ目に沿って少しずつ滑らせながらツメの位置を探ります。ツメと相手側の受けの間にピックが入れば、ツメが押し上げられて外れます。面倒ですが一個一個丁寧にツメを外すことが大切です。
適切にツメが設計されたものは、気持ちよくパキパキと言う感じで外れていきますが、中には恐ろしく硬くかみ合ってなかなか外れないものがあります。力を入れ過ぎるとやはり破損の原因になるので、複数のピックを使って開いた状態を維持しながら、他のツメを外すようにするのがコツです。それにしても、メーカー側ももう少し開けやすいように、ツメの形や勘合の仕方を考えて欲しいものです。ツメがかかる部分はもっと丈夫に作るとか、ツメを少し外れやすいようするために突起の部分にアールをつけるとか、一律同じツメにするのではなく要所以外はやや外れやすいように形状を工夫する等、考えられる改良点はいくらでもありそうに思います。 蛇足になりますが、昨今のプラモデルはガンプラを筆頭として、はめ込み式で組み立てられるものが多数出回っています。接着剤無しでパチパチと組み合わせていくだけで完成するのには感心します。
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