1.Windows XPの快適さを取り戻す (2015.2.3)

前置きが長いので結論だけ知りたい方はこちらをクリックして下さい。

【1.経緯】
Windows XPは12年もの長期に渡ってパソコン界に君臨したOSです。前身であるWindows 2000にMacライクなデザイン性を取り入れて、安定度と操作性と言った本来の機能とを見事に両立させています。XPは当初より完成度が高く、ホームユースからビジネスユースまで、あらゆるコンピューターに浸透してユーザーに多大な恩恵を与えてくれました。

初期の頃はまだパソコンのハードウェア自体が貧弱だったので、当時のPentium IIIやCeleronでも十分快適に動作するよう、OSの設計にもずいぶん苦労があったに違いありません。なにしろメモリーは192MBや256MB程度の搭載が当たり前だった時代です。今から考えればよくぞまともに動いたものだと感心してしまいます。もちろんWindows 98等に比べれば動作が重いと感じたのは確かですが、とにかく低スペックのパソコンでもそれほどストレス無く使用することができたのは事実です。

そして長い年月が流れてXPもアップデートを重ね、最終的にはサービスパック3(以下SP3)となりました。その間にもハードウェアの進歩は目覚しく、CPUはシングルコアからマルチコア全盛となり、メモリーやHDDの高速化と大容量化が進みました。手元にあるコンピューターを一例としてみても、CPUにはインテルのデュアルコアCPU、Core2 Duo E8400(3.0GHz)、メモリーは32bitのOSとしては最大搭載の4GB(実際に認識して使えるのは3GB程度)、HDDは2TBと、XP初期の標準的なスペックからすれば夢のような進化です。

私がXPの終盤の頃に主に使用していたのは上記では無く、2004年頃に購入した古いものでした。スペックも下記の通りあまり高くありません。それでもSP2までは多少の速度低下を感じつつも、特に不自由することなく使用することができていました。

<以前使用していたパソコンのスペック>
●CPU:インテル Pentium 4(2.8GHz)
●メモリー:1GB(DDR SDRAM PC2100)
●HDD:160GB(ATA)

SP3の頃でも、この程度(それ以下も)のスペックのパソコンを使用している人は多かったに違いありません。ノートタイプなら尚更です。SP3になって更に遅くなった印象がありましたが、特に支障が出る程の影響は感じませんでした。ところがXPのサポートが打ち切られる1年位前だったでしょうか。突然猛烈な速度低下を起こしたのです。

それはパソコンの起動後しばらくして顕著に発現しました。何かわかりませんがHDDに頻繁にアクセスが起こり、その間ほとんどパソコンが操作を受け付け無いのです。時間にして数分だったと思いますが、原因がわからず愕然としてしまいました。もしかしてウィルスにやられたのではと思い、色々調べてみたもののそうでは無かったのです。アンチウィルスソフトのアップデートが原因かと思い、ソフトを停止したり変えたりしてもみました。しかし、現象は一向に収まる気配がありません。とりあえず最初の速度低下をしのげば後はどうにか普通に使えたため、その後も不満を抱きつつ使い続けることになったのです。

【2.速度低下の原因】
当時からパソコンの修理等も手がけていて色々なパソコンを整備してきましたが、この起動後の不可思議な現象はXPをSP3にアップすると概ねどのパソコンにも見られました。ただ、その影響にはかなり個体差があり、ひどいものでは10分以上も全く使用できない状態に陥ってしまったのです。これでは整備しても全く実用にならないため、ネットで色々検索したり自分でも調査してみました。その結果、ようやく1つの結論に達したのです。それは、
●WindowsがアップデートのためにHDDをスキャンするのが原因。
●アンチウィルスソフトが更に速度低下に拍車をかけている。

の2点でした。

灯台下暗しとはよく言ったもので、肝心要のOS自身が速度低下の直接原因だったのです。Windowsは起動直後に新しいアップデータがリリースされていないかネットに接続して調べます。そして該当するアップデートに対して自身の環境を確認し、更新の準備をするためにHDD内をスキャンします。CPUにデュアルコア以上の十分な処理能力があり、HDDが高速であれば影響は少ないのですが、低スペックな場合はモロに影響を受けるわけです。起動時にはアンチウィルスソフトを始め他のソフト等もアップデータが無いか調べようとするため、色々な処理が競合してOSの処理能力を大きく低下させてしまうことになります。逆に言えば、これらを阻止してしまえば速度低下は起こらないわけです。

【3.対処方法】
原因がわかれば対処は簡単です。既にXPはサポートが終了しているため、インターネットには原則として接続しないことを前提に話を進めることにします。重要なポイントなのでこの前提は遵守して下さい。では、XPの快適さを取り戻すために下記の操作を行うとしましょう。

●Windowsの自動更新を「無効」に設定する。(下図の赤丸の項目を選択)

●自動更新の無効化に伴い、不要なメッセージを出さないように通知設定を変更する。(下図のように下2つのチェックを外す)

ファイアウォールに関してはどちらでも良い。私はLANの安全のために一応チェックは残している。

●アンチウィルスソフトを削除する(もしくはインストールしない)。

上記3つを実施することで、Windowsは以前のように快適に使えるようになります。Windowsの更新はほとんどセキュリティに関するもののため、できればXPをSP3ではなくSP2にしておいた方が全体の動作が速くなります。セキュリティは当然低下するため、不要なファイルは持ち込まないようにしましょう。事前にセキュリティを確保したパソコンで、ファイルが安全か確認しておくことが重要です。

【4.怒りの追記】
なぜ、XPがサポート終了を前にしてこれほど使えなくなってしまったのでしょうか。考えられる理由はただ1つ。ユーザーにOSの速やかな更新を促し、できる限りパソコンそのものを新規購入させるためです。それには本丸であるマイクロソフトと、それを取り巻くハードウェアやソフトウェアのベンダーが深く関わっているに違いありません。結局のところ、パソコン業界の収益アップのために画策された陰謀に他ならないのでしょう。殊更にXPの脆弱性をアナウンスしたのも、ユーザーに危険を認知させて買い替えを促すためです。確かに脆弱性に関しては異論はありませんが、それならば別の方法でXPのパソコンを救済するような措置もあったはずです。運用面での見直しだけでもある程度の効果が得られたはずで、少なくともインターネットに接続する時だけは、簡単に接続できないような仕組みを導入すれば良いだけの話です。サポート終了前には、最初で述べたように強力なスペックのパソコンがたやすく入手できる状態でした。それらをも一斉に廃棄に導くような方法をとったのは、マイクロソフトの暴挙としか言いようがありません。

Vista以降のパソコンは脆弱性に関しては改善されていますが、そのために払った代償は想像以上に大きいものです。現に最新のパソコンに買い換えたからと言って、驚く程体感速度が増すわけでもありません。逆に追加された機能を効果的に使用できるようにするため、バックグラウンドで動くプロセスが多過ぎて、OS全体の速度低下を招いています。また、OSを稼動させるために必要なスペックも、もはや尋常なレベルではありません。提示されている最低限の目安では、単に動くと言うだけで快適な動作にはほど遠いのが現状です。更にアプリケーションもバージョンアップを重ねて高機能化し、どんどん処理が重くなっています。特に実務的な作業をこなすなら、絶対にXPの方が有利なはずなのです。更に言えば、もしもWindows 98がマルチコアで64bitに対応し、Core i7を搭載した最新パソコンで動作したとすれば、あまりの速さに目を回すことでしょう。Windowsの進化とは、個人的にはハードウェアの飛躍的な進化を矮小化し、継続的にOSを含めたハード・ソフトの買い替えを促す戦略だったと考えています。だから私はこれからもXPを使い続けるし、他の人達にも推奨します。ただし、繰り返しになりますが、次の2点だけは厳守して安全に使用して欲しいと思います。

●インターネットには原則として接続しない。
●不要なファイルは持ち込まず、安全なファイルのみを利用する。

特に機密事項を扱うような用途では、LANにも接続せず完全にスタンドアロンで運用することです。USBメモリ等を利用する際も細心の注意を払い、ウィルス等の悪意あるソフトを絶対に持ち込まないことを肝に銘じて下さい。そうすれば旧式のパソコンでもきっと快適なパソコンライフを送れることでしょう。

【5.更なる怒りの追記】
Windows 8は速い、だから今、最新PCに買い換えよう。Windows 10発売後1年間はWindows 8から無償でアップグレードできる。だから今、最新PCに買い換えよう。」

何やらキャンペーンも始まるらしく、盛んにWindows 8の速さを強調しています。なにしろ起動に十数秒だとか。7もVistaも2倍以上遅いし、XPに至ってはそれ以上だとか。だから今、最新PCに買い換えようというわけです。

また、MSとPCメーカーが結託した詐欺商法の始まりです。Windows 8が速いなんて大嘘です。起動の速さはハイバネーションを利用しているからで、常にスリープ状態にあるからすぐに起動するだけのことです。XPでも速い機種ならスリープからの復帰に10秒とかかりません。しかも、XPならすぐに作業を開始できますが、Vista以降のOSはすぐには使えません。見かけ上立ち上がっているように見せかけているだけで、実際のところは準備中なのです。これで速いなどとは片腹痛く、よくもそんな大嘘を大々的に吹聴できるものだと呆れます。前述したようにアプリケーションも重くなっているし、セキュリティその他でOSは遅くなる一方です。PCのマザーボードメーカーは各種OS用ドライバをサポートしているので、XP(SP2)と8でどのくらい違いが出るか直接比較してみたら良いと思います。その際もベンチマークソフトは当てになりません。パソコンでの作業の大半は単純な計算処理では無いのですから。あくまでも自分の体感として比べることが大切です。8や10でもOSの更新の際は再起動が行われる場合があるので、その時の起動が本当に速いのか確認できることでしょう。




● HOME ●