54.風向・風速計 (2024.6.11-2024.7.20)

GARDEN-TECの追加機能として、以前から計画していた風速計を製作しました。風速計本体はなるべく製作の手間を抑えるために、市販の工作キットを流用します。手頃なものをamazonで探したところ、風向・風速計が一体となったものがありました。いかにもオモチャっぽいものでしたが、価格も比較的安く(1110円/税込)、とりあえず製作するなら妥当だろうと判断してのことです。もっとも実際の製品は想像よりも出来が悪く、風向計に至っては強風でないとまともに動作しない代物でした。

元々風速計と風向計は別々に製作するつもりだったので、今回の風向計部分は概略の目視用と割切ります。それでもある程度機能してもらわないと困るので少し改良しました。具体的には風の力を受けやすいように、後ろ側の羽根部分を大きくしたものをプラ板で作り貼り付けています。これである程度風が吹けばほぼ正しい方向を向きます。本命は風速計で、4つある風受けの軸部分にロータリーエンコーダーを取り付けています。風があると風受けが回ることでスリットのついた円盤も回転し、スリットを通した光信号をフォトセンサー(1個150円程度)で読み取るわけです。出力はパルス波形として検出できるので、その数を計測して風速に換算します。完成したものが次の写真で、センサー出力をRasPiに入力してカウントを行います。センサーとRasPiの結線は電源(3.3VとGND)とセンサー出力(GPIO5に接続)の3本だけです。


風速計全景


センサー部

早速風速計のフォトセンサーのカウントをテストしてみましょう。カウントはセンサーパルスの立ち上がりを割り込みを使って検出し、1パルス入るごとにカウントを行います。テストでは5秒間のセンサー出力をカウントし、合計カウントを表示したら0に戻します。これを繰り返すことでリアルタイムで風速(この場合は5秒間の平均的なカウント値)を測るわけです。実際に風速計として使うためには、カウント値を風速に換算しなくてはなりません。市販の風速計を使って風速とカウント値との関係を調べ、簡易的に校正を行います。最近は安価な製品も出回っているようで、例えば次のものはamazonで1380円(税込)と格安でした。


市販の風速計

風速計のテストプログラム

最初に風向計は目視用と割切ると書きましたが、手軽な方法で計測できそうなアイデアが浮かび検証してみました。それには風向を検知するリードスイッチとスイッチを動作させるためのマグネットを使用します。リードスイッチ(ノーマルオープン/OFF)は水平状態で8方向に放射状に並べ円盤状のプラ板で挟み(下図参照)、これを風向計の回転軸上部に固定します。リードスイッチはリード部分も動作に関与するため、むやみに切断しない方が良さそうです。中央部がマイナス(GND)側になり、外周側を抵抗でプルアップする形で使用します。


リードスイッチユニット(上面視)

一方、風向計側にはリードスイッチユニットに向けてマグネット(DAISOで購入した小型磁石を距離の関係で2個連結)を取り付け、羽根の回転によってマグネットが移動し、方向に応じたリードスイッチの近くを通過した時にスイッチがONするようにします。リードスイッチの動作は比較的アバウトなので、厳密な方向を指し示すことはできませんが、概略の方向が分かれば良しとします。実際の検知部分(リードスイッチユニット)が下の写真です。リードスイッチはガラス管に封入されていてもろいため、固定の際は注意する必要があります。


風向計のセンサー部


回路基板

8個のリードスイッチの状態をRasPiに伝えるため、今回はI/OエキスパンダーMCP23017(「22.I/Oポートの拡張」を参照)を使用します。このICは8ポートの入出力ポートを2系統備えていて、今回はAポートだけを入力で使用します。RasPiとはSCLとSDAの2本の信号線と電源(3.3V・GND)を結線するだけで済み、簡単に入出力ポートを拡張できることから今回の目的にはぴったりです。ポートはプルアップ抵抗で普段はH状態にあり、マグネットが近接してリードスイッチがONになったポートだけがLになることで方向を検知します。ただし応答性が良いとは言えず、例えば隣り合うリードスイッチの中間辺りでは両方のリードスイッチがONになる場合もありえます。マグネットとの距離等の調製次第で中間部分もおおよそ検知可能ですが(全16方向)、確実な動作は難しいので両方ONになる場合は主8方向のうちで最後に検出した方向を踏襲することにします。

風向計の回路図は次のようになります。

風向計のテストプログラム

風向・風速計の処理をまとめたのが次のテストプログラムで、風速計は手持ちの市販の風速計を元に校正しました。ただしリファレンスと言えるほど正確な製品では無いため、あくまでも目安程度のものです。

風向・風速計のテストプログラム

今回製作した風向・風速計は回路がむき出しのため、風雨にさらされる室外では使用できません。この簡易的な風向・風速計とは別に、防水性能を持つ外形ユニットも用意してあり、そこに今回検証した回路等を組み込んで実用に足る完成品を目指します。外形ユニットはそれぞれamazonで1500円程度(税込)で販売されており、本来の計測ユニットのベースとなるもので、センサー等が組み込まれていない状態の製品だと思われます。これらも予想ほど出来が良くは無かったのですが、何とか工夫して実用にこぎつけたいと考えています。そして、最終的にはGARDEN-TECに組み入れて完成するつもりです。