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38.【番外】人感センサーライト (2021.10.18ー2022.2.9)
RasPiを応用した機器の製作で、予定変更により余ったり不要となった部品を有効活用すべく、RasPiとは無関係の電子工作の類を「番外」として加えることにしました。その第一弾として、監視カメラで使用しなかったLEDライトを使った人感センサーライトを製作します。電子工作としては初歩的なもので、センサー出力を使ってトランジスタをオン/オフし、LEDを点灯制御させる簡単なものです。昨今では同様のセンサーライトをホームセンター等でもよく見かけます。今回元となるLEDライトは単体でも手動スイッチ付ライトになるので、なかなか実用的に使えそうです。しかし、人感センサーは明るい昼間でも反応するため、そのままでは周囲が明るくてもライトが点灯してしまいます。そこで暗い夜間だけ点灯するように、センサーにcdsを取り付けます。HC-SR501にはcdsを取り付けるパターンが用意されていて(白いプラ製のドームカバーを外し、RLと書かれた部分)、部品をハンダ付けすれば機能するようになっています。OSOYOOのセットの中にcdsがあったことを思い出し、それを利用することにしました。


参考までにHC-SR501のデータシートを置いておきます。
HC-SR501データシート
余談になりますが、HC-SR501は粗悪品も多いようで、検出に難があるようなレビュー等も見かけます。実際、感度を上げると誤検出が顕著に現れ、使用する環境が限定される場合もありそうです。要となる赤外線センサー(LHI778)の品質に問題があると推測しますが、価格相応と考えれば微妙なところです。他にダイソーのセンサーライト(税込330円)も設置していますが、こちらの方が安定して動作するように思います。安価なのでセンサーだけ拝借するのも一手かもしれません。HC-SR501の使用方法に関しては、下図が参考になると思います。ジャンパープラグは図の位置(L側:シングルトリガー)だと一定時間(遅延時間設定値)後にトリガーがオフになりますが、下側をショートすると人感検知している限りトリガーがオンのまま(H側:リピートトリガー)になります。本件のLEDセンサーライトは後者で使います。

話を戻しますが、100均のLEDライトの回路を調べると、手動点灯スイッチは電源の+側に入っており、人感センサーの出力でオン/オフするには都合が悪い設計です。そこで改造を行ってスイッチを電源のマイナス側に入るようにしました。元々付いているプッシュスイッチと並列に電子スイッチ(今回はHC-SR501にて)を付ければ、どちらでも点灯制御ができます。ライト側の改造は簡単で、抵抗を外して取り付ける場所を変更し、更にパターンを1ヶ所カットして配線を一部変更します。下図を参考にして下さい。左側の図で、赤は電池の+側、青は電池の-側に接続されています。抵抗は20オームが入っていました。これを外して基板裏側にハンダ付け(右側の図)して改造すれば良いわけです。なお、図にはありませんが、スイッチの電源+側(3つある端子の中央)、スイッチの電源-側(青リード)、+電源(赤リード)の部分からリード線を外に取り出します。つまり電源+(4.5V)、電源-(GND)、コントロールの3線が外部とのインターフェースになるわけです。
改造前の内部は写真のようになっています。図の左右にカバーのツメがはまって固定されているため、薄くて硬い板状のものを勘合部に押し込んでツメを外します。私は昔母が使っていた大正琴のピックを分解に使っていますが、ほど良い硬さと厚みで使い勝手は上々です。ただし、LEDライトはツメでしっかり固定されているため、1度使ったらピックが割れて終わりといった感じです。この種の固定方法は分解を想定していないため、加工するには厄介な存在です。
中央の基板を外して裏側を見てみます。基板の左部分が上のイラスト図になります。
外にリード線を取り出すために、下図のように電池の横部分のプラスチックをカットしておきます。元々四角い穴のようなものがあるので、上側を開放するためにニッパー等で2ヶ所切るだけです。スイッチを押した時にリード線が邪魔をしないように、確認してからリード線を出すようにします。
これで本体部分は改造終了です。電源部分を外に取り出しているため、電池を入れた場合は外に4.5Vの電圧を取り出すことができます。実験等で5Vの電源が欲しい時に簡易的に使うこともできて便利です。逆に電池を入れない場合は外部から電源アダプタ等を利用して4.5V(5Vで良い/USBからの給電も可)を供給します。人感センサーを使う場合は電池の消耗が大きくなるため後者の方が良いでしょう。
LEDライトは人感センサーの出力では駆動できないため、トランジスタ(2SC1815等)を間に入れてスイッチングします。センサー出力には1キロオームの抵抗が入っているので、そのままトランジスタのベースに接続しても大丈夫ですが、Lレベルが十分下がらないものもあり、念のため4.7キロオームの抵抗2本で分圧してベースに接続しています。電流を多く流すと検出動作が不安定になる現象も確認しているので、その対策も兼ねてのことです。ライト側のLEDには直列に20オームの抵抗が入っているため、そのままコントロール信号線をコレクタに接続します。トランジスタがオンになった時、LEDの電圧降下が0.7V、トランジスタが0.2Vとすると、コレクタ電流は180mA程になり、個別LEDには約45mAの電流が流れます。2SC1815の増幅度を100として、完全にLEDをオンにするためには2mA程度ベース電流を流す必要がありますが、現在の抵抗値なら十分条件を満たします。センサーのLレベル次第ではリークが発生するかもしれませんが、手元のライトでは特に問題は無さそうです。参考までに回路図は次の通りです。リークで点灯する場合は、トランジスタのベース・エミッタ間の抵抗を小さく(~1k程度で要調整)すると良いでしょう。
回路がむき出しと言うのも見苦しいので、センサーとトランジスタのスイッチング回路を小さなプラケースに収めました。電源が入っていることがわかるようにLED(図のPOWER LED)を点灯しています。センサー(cds)に近いため、誤動作しないように輝度を落としています。通常は220~330オーム程度で電流を数mA~10数mA流して駆動しますが、かなりの高輝度LEDなので大きな抵抗を入れています。おかげで電流値は極めて小さく(0.5mA以下)、ほとんど消費電力に影響は無いと思われます。電源ジャックを付けてあるため、電池に加えてACアダプタ等からライトに給電でき、逆にライト内の電池を電源として外部で利用することができます。(ただし、電池と外部電源から同時に給電することは禁止)
これらのセットによる実際の動作状況です。LEDに大電流を流すので室内ではそこそこ明るく、近くなら周囲もよく見えます。現在のセンサーのボリューム設定だと、距離が3~4m程度で反応します。感度を高く調整すると発振のような現象(消灯してもすぐに点灯)が起こる場合があるので、実用的にはこの程度が妥当と思われます。
最初、人感センサーHC-SR501の感度ボリュームの見方を誤り、軒並み不良品かと思っていくつも仕入れたせいで、手元には余りが何個も残りました。適切なボリューム設定で動作は確認できたので、また別の機会に有効活用できるアイテムを考えてみたいと思います。蛇足ながら、本件のLEDセンサーライトは実用性が高く、同じものをもう1セット作って屋内で活躍しています。人によって色々な物の中にライトを仕込んでいて、光の色を変えたり、キャンドルやマスコット等を光らせて楽しんでいるようです。光だけで無く音や動きにも応用できるので、アイデア次第で面白い使い方ができそうです。
<追記(2022.1.26)>
このセンサーライトを階段部分に置いて夜間運用したところ(昼間はフォトセンサーでオフしている)、内蔵電池でも2ヶ月程度は稼動できることがわかりました。平均すると毎晩20~30回は点灯していると思いますが、予想よりも省エネで済むようです。これがあまりに便利なので、更にもう1組作ってオーディオラックの内部に仕込み、レコードプレーヤーを聴く際にラックに近付くと点灯するようにしようと思います。昼間でも中を照らすように今回はフォトセンサーは付けずに、検知距離を最低にして点灯時間を少し長めにセットします。センサーライトは両面テープでラック内に貼り付けて、電池交換がしやすいように外部に電池ボックス(単4×3個)を設置します。
<追記(2022.2.9)>
オーディオラック用のセンサーライトは組み込んで他に転用するつもりは無いので、外部電池のみの利用にしてDCプラグは削除しました。写真左はケース内のレイアウト、右はセット全体です。全部品含めても部品代は600円程でできると思います。なお、センサーライトで1点改造時に注意する点があります。元々スイッチ部分の精度がよく無いのか、改造後に本体スイッチを押してもスイッチが動作しない現象が発生(以前の改造でも経験)。確認したところ、スイッチが戻る際の距離が確保できずに、スイッチのON/OFF動作が機械的にうまくいかない状態になることがわかりました。回避策はケースの上下を組み付ける際に、スイッチ側を1ミリ程度浮かして接着してやると良いようです。リード線の取り出し部はケースのフタ側に切り込みがあるので、同じ位置のケース側をデザインカッターで半円状に切り取ってリード線(全部で5本)が通るようにしました。
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