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2.Raspberry Piを動かす (2015.2.15-2020.2.14)
必要なものを買い揃えたところで、Raspberry Piがすぐに動くわけではありません。ハードウェアだけではただの板きれに過ぎないので、動作させるためにソフトウェア(OS)の準備が必要です。まずは母艦となるパソコンを使って必要なソフトをダウンロードし、これをRaspberry Piにセットアップします。
テキストには3種類の方法が紹介されていますが、初めてであれば1番目のNOOBSを使う方法をお勧めします。インターネットに接続したパソコンさえあれば良いので、他の方法より簡単で環境を整え易いからです。他の方法は追々と試せば良いでしょう。NOOBSはRaspberry PiにOSをインストールするためのソフトで、Linux系のOSであるRaspbianが含まれています。(NOOBSのバージョンによって、以下の操作内容や表示が異なるケースがあるかもしれません。常にネットで最新の情報を得て作業するようにして下さい。)
*2020年にRaspberry Pi ImagerによってOSをインストールする方法に変わりました。より短時間で手軽にインストールが可能になっています。下記は古い情報となります。
早速NOOBSをインターネットからダウンロードしましょう。下記公式サイトにアクセスして下さい。
ホームページが開いたらダウンロードページに進みます(上のメニューのDOWMLOADSをクリック)。そしてNOOBSの項目でDownload ZIPをクリックします。私のダウンロード時の最新バージョンは1.3.12(750MB位ある)でした。この手のサイトはダウンロードにかなり時間がかかるので、終わるまでのんびり待つことにしましょう。ファイルは圧縮されているため、ダウンロードが終了したら適当なフォルダに展開します。
*2020年2月14時点で最新バージョンは3.3.1になっていました。5年の間にずいぶんアップデートされたものです。(追記参照)
次にMicroSDカードをカードリーダー等を使ってパソコンに認識させます。先程展開したフォルダの中身を全てMicroSDカードにコピーし、完了したら取り外してRaspberry Piのカードスロットにセットします。MicroSDカードのカードリーダーはパソコンに内臓されている場合もあるし、USBの外付けタイプもあります。無ければあらかじめ購入しておいて下さい。価格も安く最近では100円ショップでも売っているくらいです。さすがに100円ショップのものは品質がイマイチで、パソコンによってはうまく認識しなかったりしますが、試してみたところ今回のコピーはうまくいきました。
いよいよOSのインストール作業に入りますが、その前にRaspberry Piのボードにモニター、キーボード、マウス、LANケーブルを接続して起動する準備をします。モニターにはHDMIで接続しますが、相手はパソコン用モニターでもハイビジョン液晶TVでも構いません。本体が軽いため、ケーブルは引き回しの楽な細いものが適しています。LANはインターネットに接続できる環境が必要です。セットアップ後にOSを最新バージョンにアップデートする時にも使用します。準備が整ったら電源ケーブルを接続して給電を開始します(電源スイッチ付きのタップがあれば、終了後にアダプタを抜かなくても済みます)。電源が入るとボード上の赤のLEDが点灯して起動を開始し、データ読み込み中は緑のLEDが点滅するので、大まかな動作状況が把握できます。最初はMicroSDカード内のNOOBSが起動してOS(Raspbian)のインストール画面が表示されるので、テキスト通り指示に従って作業を行います。大体15分程度で完了するので、それまで放置しておいて構いません。
画面の指示に従って最後にOSが起動すると、Raspbianの初期設定画面が表示されます。この時、画面下に英語にするか日本語にするかの選択も示されます。ここはデフォルトのEnglishのままで絶対変更しないことです。Japaneseにしてしまうと途中で文字化けして作業を断念することになるようです。もっとも、最初の準備のようにMicroSDカードにコピーをやり直せば何度でもインストール作業ができるので、試したい方はご自由にどうぞ(補足参照)。設定中は項目によってしばらく時間がかかることがあるので、結果が反映されるまで待ちながら落ち着いて作業を進めましょう。初期設定を行う項目は下記の通りです。
●パスワード変更
●X Window System起動
●地域と言語
●時刻(タイムゾーン)
●キーボードレイアウト
●オーバースキャン対応
設定画面は英語なので少々戸惑いますが、テキストに詳しく解説されているので、説明に従って進めれば特に問題は無いでしょう。設定終了後に再起動を行うとRaspbianが起動します。WindowsやMacでお馴染みのGUIによるデスクトップ画面です。既に色々なツールやアプリケーションがインストールされているので、すぐにも利用することができます。
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●Raspbianのデスクトップ 液晶TVに表示したRaspbianのデスクトップ画面です。フルハイビジョンで表示可能なグラフィック性能にまず驚かされます。ご覧の通りLinuxライクな画面で、こんな小さなボードが紛れも無いパソコンであることを物語っています。しかもこんなにも簡単に準備が整うので、初心者でも安心して取り組むことができます。 |
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●メニュー表示 メニューの中には、これから学習するプログラム言語Pythonも登録されています。(この時のRaspbian(後のRaspberry OS)ではPythonの2と3がインストールされました。後にThonnyと呼ばれる統合環境が導入され、プログラミングも更に手軽にできるようになりました。) |
設定後にインターネットに接続してアップデートを行います。使用されているファイル類はWindowsのようにこまめに更新されていて、最新版NOOBSを使用しても結構更新ファイルがありました。接続環境さえあればアップデートは簡単です。テキスト通りに操作すれば、インターネットに自動的に接続して更新を行ってくれます。次に書かれている日本語入力についても、インターネットからソフトウェアをダウンロードしてセットアップします。これもテキスト通りにすれば難しくはありません。一応手順を書いておきます。3つ目は日本語入力ソフトウェアです。テキストとは異なりますが、ネットの情報ではよく使われているようなので採用しました。
sudo apt-get update
sudo apt-get upgrade
sudo apt-get install fcitx-mozc
ところで、私はこれ以前の作業でインターネットには接続していませんでした。気が付くとデスクトップの右上端の時刻が大幅に狂っています。そう言えばタイムゾーン等は設定したものの、現在時刻を合わせた記憶はありません。Raspberry Piにはリアルタイムクロックが搭載されていないため、時刻は他の方法で合わせる必要があるのでしょう。因みに設定のどこを見ても時刻設定の項目はありませんでした。インターネットに接続すれば正しい時を表示するので、起動時にインターネット上のNTPサーバーを使って時刻合わせを行っているようです。インターネットに接続していない環境だと、電源を切る度に時計が狂うことになるので、実用的な運用を図る際には対策が必要になりそうです。
<補足>
MicroSDカードをWindowsでフォーマットした場合等は、本来のカードフォーマットとの互換性に問題が生じる場合があるようです。実際、Raspberry PiをインストールしたMicroSDカードを改めてWindows上で確認したところ、正しい容量を表示しませんでした(16GBのはずが812MBに)。そこでテキストにも書かれているように、専用のフォーマッタを使用してフォーマットを行います。下記からダウンロードして母艦となるパソコンにインストールしておきましょう。
https://www.sdcard.org/ja/downloads-2/formatter-2/
私の場合はデフォルト設定のままでフォーマットを行ったところ、正常なサイズを表示するようになりました。場合によってはオプション設定で「論理サイズ調整」をONにする必要があるかもしれません。また、カードリーダーの相性等も関係する可能性があるので、うまくいかない場合は別のリーダーで試してみて下さい。蛇足ですが、例の100均のリーダーでも大丈夫だったので、安物でも意外に使えるものだと感心しました。
<追記(2020.2.1)>
長いブランクの後で、久しぶりに最新版のNOOBSをインストールしてみましたが、5年前よりも更に簡単になったようです。普通に日本語を選択しても文字化けもせず、設定もログインパスワード等ごくわずかで、スムーズに最後まで完了しました。また、前回の実験使用で無線LAN(Buffalo WLI-UC-GNM)を導入しましたが、これをOSのインストール時に最初から接続しておいたところ、そのまま認識して無線接続の初期設定へと進みました。ここで無線親機に接続設定しておけば、後はアップデートまでスムーズに進みます。これなら実験再開に向けて、簡単に準備も済ませられそうです。なお、このまま単独でRaspberry Piを使用しても良いのですが、せっかくなのでPCからリモート操作できるようにして、使い勝手を更に向上したいと思います。制御用として実際に利用するまでは、この形で実験を進めるつもりです。応用も含めて再開する内容は、「21.ここからが本当のスタート!」以降で扱う予定です。
無線LANについて補足ですが、Raspberry Pi 3以降はモジュールを標準で内蔵しているため、セットアップ時に簡単に無線接続が可能になります。スペックが初期のRaspberry Piよりも大幅に向上しているので、あえて学習に旧Raspberry Piモデルを選択するメリットはありません。特に処理が遅いと何かとストレスがたまりますので、なるべく新しいバージョンをお勧めします。
<追記(2021.6.14)>
実験に使用していたRaspberry PiのモデルAが異常に遅くなり、頻繁にフリーズするようになったためOSの再インストールを実施しました。と言っても1からでは無く、元々備わっている機能を使ってです。起動時にロゴマークが大きく表示されたところでシフトキーを押すと、OSの再インストールができるのです。MicroSDカード自体に不良部分があれば交換以外に無いですが、データ的なOSの不調なら改善する可能性があります。最初の状態に戻ってしまうためデータ等も消えてしまいますが、全く実用にならない状態だったので止むを得ません。再インストールにはかなり時間がかかります。今回の不調はやはりOS内のファイル破損が原因だったようで、再インストール後は正常に戻りました。もっとも、古いバージョンのハードなので、処理が遅いことに変わりはありません。少々動作にイライラさせられるのは我慢することにしましょう。
前回追記した少し後で、Raspberry Piのインストールが大きく変わったようです。新しいツールはRaspberry Pi Imagerと呼ばれていて、MicroSDに書き込む時にセットアップも実行されます。書き込みが完了したMicroSDをRasPiに入れればすぐにRaspberry OSが起動し、初期設定を済ませればすぐに使える状態になります。PCの高い処理能力で時間の短縮になるので、嬉しい改良だと思います。ただ、改良の度にOS自体が重くなっていて、古いバージョンのハード(特に初期のRaspberry Piモデル)では実用に適さなくなっています。
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