1.Lesance DT (2015.7)

堅実でアイデアに飛んだスタンダードPC。

入手先:中古ショップ
価格:1080円(税込)
CPU:intel Core2 Quad Q6600(2.4GHz)
メモリー:512MB+512MB
光学ドライブ:DVDスーパーマルチ(写真はブルーレイドライブに交換した後のもの)
HDD:無し
メモリーカードリーダー:有
マザーボード:ECS G33T-M2

上記の装備の他に、USB端子にドングルが2個付いていましたが、調べたところ両方共マウス用らしく、ペアリングの相手が無いので残念ながら使い道がありませんでした。それにしても、いくらジャンクとは言え、あまりに安過ぎて驚きです。私はジャンク品の価値を部品レベルで見積もりますが、動作すればざっと概算しても7000円程度の価値はありそうです。よほど内容に自信が無かったのでしょうか。パソコンの場合はリサイクルの対象で、処分の際にコストがかかるリスクを考慮してのことかもしれません。

ケースの外観は傷も少なく、中古としては割合状態の良いものでしたが、内部はかなりホコリが付着していました。この手のジャンクでは、大抵外されているHDDは折込済みです。昨今の個人情報保護法の影響もあるのでしょう。問題はCPUとメモリーで、へたをするとどちらも外されている可能性がありました。幸いCPUは貼られていたシール通りCore2 Quadで安心です。Q8300辺りかもと期待しましたが下位のQ6600だったのはちょっと残念です。メモリーはCPUに対していかにも少ないので、処分の際に取り外したのかもしれません。DVDドライブは滅多に壊れることも無いので、今回も大丈夫だろうと踏んでいます。プロダクトキーは付いていませんでしたが、恐らく元はXPかVistaだったと思います。マザーボードはエントリー向けです。メモリースロットも4基あって安価に増量できるのが嬉しいところです。モニター出力はRGBだけですが、オンボードのグラフィック性能はさほど高く無いので、PCI-Eスロットにディスプレイカードを追加してスペックアップする手があります。

G33 Expressチップセットを使ったマザーボードは、個人的には動作が速い優秀な印象があります。また、エントリー向けのマザーはシンプルな構成の分、故障も少ないように思います。このマザーも固体コンデンサは採用されていませんが、酷使しなければまだまだ十分活躍できるでしょう。電源が400Wとやや貧弱な上、かなりホコリっぽい環境で長時間稼動していたようなので、この先は電源が故障する可能性が高いと感じます。このまま使うのであれば、CPUを省エネなCore2 Duoに換装し、ディスプレイカード等の拡張も程ほどにしておいた方が無難でしょう。

さて、ジャンク品の最大の問題は、動作確認がとれていない点にあります。パソコンの場合は電源かマザーボードが故障している可能性が高いので、まずは電源が入り正常に起動するかチェックすることから始まります。本機の場合は幸いに正常に電源が入り動作しました。Biosも変更できてメモリーチェックもOKだったので、どうやら基本動作は問題無さそうです。ここに至るまでは宝探しの心境で、ジャンク品の一番の醍醐味だと言えます。

Lesance DTはパソコン工房のPCで、同社の概要はよくわかりませんが、UNITCOM製品を主に扱っているようです。本機はパソコンショップGoodWill等でも販売されていたので、店頭で見かけた人もあるでしょう。デスクトップ型はLesance DTシリーズの流れで今でも続いています。BTOを主体とした自作系のパソコンに近いもので、その時々で様々なパーツが組み合わされて販売されています。性能に対して割安なのでコストパフォーマンスは高いのですが、薄利多売のために随所でコストダウンが行われています。あまり高級な部品は使われていませんが、パソコンを消耗品と割り切れば妥当なところかもしれません。

本機は7~8年前のモデルだと思いますが、当時に今回紹介するPCと同じデザインのケースを採用したモデルを購入した経緯があり、個人的にはこのケースがなかなか気に入っています(中身は丸ごと変わっていますが、現在も主録画機として活躍中です)。今となっては少々古臭さを感じるデザインですが、昨今のケースよりも頑丈な割りに軽量化にも配慮されています。最大の特長はサイドパネルのロック機構とフロントパネルの着脱機構で、前者は2ヶ所のロック部品を手で解除すればサイドパネルを取り外せます。後者は内部のフロントパネル下にあるレバーを押すとパネルを止めているツメが解除され、フロントパネルが外れるようになっています。恐らくこの種のケースでは最も取り外しが簡単で、頻繁に構成を変える自作派ユーザーの立場で考えられた優れたアイデアです。しかも拡張ボードの固定もバーによるワンタッチ機構で行っており、通常のビス止めは不要になっています。更にHDDはドライブベイの下に縦に配置され、エアーフローにより全面が冷却されるように配慮され、取り付けも片側2ヶ所は突起で固定されるので、ビス止めはもう一方の側2ヶ所だけで済みます。なお、HDDは3.5インチのドライブベイ(2段)にも取り付けられます。5インチベイも2段あり拡張性も高い設計です。

●内部
前後下部に付いている黄色の部品が簡易着脱用部材です。ちょっとしたアイデアですが、自作派にはありがたい配慮がされています。

本機のその後については、元々手元に残すつもりは無かったので、さっさと再整備して売却用へと回すことにします。CPUは省エネに配慮してCore2 DuoのE6850(3.0GHz)に換装。HDDはストックしていた250GBを使用し、光学ドライブは別のジャンクから外したBD-ROM/DVDスーパーマルチを流用しました。メモリーは32bitのOSの最大容量と言える3GB(搭載上限は4GBですが、OSの制限で実際に使えるのは3GB程度なので)にした上で、OSはWindows Vista(32bit)をインストールしています。プロダクトキーは廃棄PCの中古キーを利用しての認証です。全体のバランスとしては結構高いスペックを確保しており、グラフィック能力が低い分に関しては、次期所有者のカスタマイズに委ねることにしましょう。ストック部品の処分も兼ねて整備したパソコンなので、安価に提供できれば本望です。

<補足>
冒頭で搭載されていたのがCore2 Quad Q6600で残念だったと書きましたが、実はこのCPUはオーバークロック耐性が高く、2.4GHzの定格クロックでありながら、なんと3GHzでも動作すると言われるものなのです。全てがそうだと言えるわけでは無いし、電源やメモリー、マザーボード等の他の要因も加味しなければなりません。個人的な経験で言えば、3GHzでの安定動作は可能です。このPCでは無く他のマザーボードでしたが、実際に自分自身で確認したので間違いありません。CPUクーラーにサードパーティー製の強力なものを積んでいたため、特に苦労することなく実現できました。長期間稼動させたわけではありませんが、途中でダウンすることも無く普通に動作していたので、オーバークロック耐性が高いのは事実です。3GHzと言えば、同時期のクァッドコアの最高峰だったQ9650と同じ周波数です。キャッシュ容量がQ6600の方が少ないのでやや性能は劣りますが、安価でありながらトップレベルのスコアを出せるため、一部のマニアの間では話題になったようです。安定重視の運用を考えるなら邪道とも言える行為ですが、PCの楽しみ方の一つとしてチャレンジするのも面白いのではないかと思います。




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