![]()
|
37.キーボート型PC KeyPaso (2019.5.14)
キーボード型のPC、それがこのKeyPasoです。冗談では無く正式名称で、ロゴも入っています。珍品PCを探しているうちに目に留まりました。ネットで検索すると、どうやら2003年発売のようです。当時はWindows Xpが登場した頃で、色々なタイプやデザインのPCが盛んに発表されています。Windowsマシンもこの頃になるとかなりこなれてきて、ハードの進歩も相まって意欲的な商品が目白押しだったと記憶します。そうした中にあっても、ひときわ異彩を放つPCではないでしょうか。かなり昔に流行ったMSXパソコンの中に、似たようなコンセプトの製品があったのを思い出します。 発売元はクイックサン(Quixun)という会社で、恐らく台湾発のPCではないかと思います。詳細はよくわかりませんが、自作PCキットとして販売されたらしく、価格は4万円弱程だったようです。CPUやメモリー、ドライブ類もOSも無しですから、決して安くはありません。それでもキーボード一体ということで、かなりの省スペースで装備もなかなか充実していることから、そこそこ注目を浴びたのではないかと想像します。個人的には消耗品であるキーボードの劣化が心配になり、あまり良い組み合わせとは思いませんが、キーボード自体がまだまだ高価な時代だったのでこれも有りだったのかもしれません。私なら超薄型のPCを作り、キーボードの下に敷けるような製品にしたいところです。 本機は小型ながら拡張性に飛んでおり、3.5インチシャドウベイにHDD、本体左右にスリム型の光学ドライブとFDDが搭載できます。更に光学ドライブの代わりにオプションのライザーカードを付ければ、PCI拡張ボードも乗せられます。CPUはソケット478対応のもので、Pentium 4を搭載すれば高い処理能力も期待できます。メモリースロットはDDR333が2基で最大2GB搭載可能です。I/Oは背面に集中しており、RGB出力、LAN、USB、IEEE1394、シリアルポート等が装備されています。フルスペックのPCも組めることから、自作派の人達にはなかなかに魅力的に映ったことでしょう。
入手時には既に各パーツが組み込まれていたので、手持ちのHDDを乗せてOS(Windows Xp)をインストールし、フリーウェアを中心としたアプリをセットアップしました。メモリーは入手時の1GB(512MBが2枚)でも問題は無かったのですが、余っていた手持ちの1GBモジュール2枚に交換しました。1点気になるのがオーディオドライバ(SiS2012)をインストールできなかったことです。カスタマイズされているのか故障なのか、現状では判断がつきません。オリジナルのドライバが入手できれば良いのですが。
それでは今回組んだPCの部品概要です。 当時のPCとしては結構充実した内容で、Xpを動かすだけなら十分だと言えます。Penitium 4はかなり発熱するため、しばらく使うと排気ファンから結構な熱風が出てきます。熱暴走や部品の劣化を考えると、夏場に長時間使用するのは避けたいところです。ACアダプタの電源容量もあまり余裕は無いので、常時安定して使うなら多少処理能力が落ちてもCeleronの方が無難だと思います。
本機の主体であるキーボードはストロークが深く、しっかりとした押し心地です。フルサイズのキーボードなのでキー入力中心の作業には便利なのですが、高さがあるために使いやすさは微妙なところです。現在なら普通のキーボードにPC機能を収めることも可能でしょうが、当時の技術レベルではこれが精一杯だったのかもしれません。この手のデザインのPCが圧倒的に少ないところをみると、やはり一般には受け入れられにくいものだったのでしょう。キーボード自体が人とのインターフェースの要でもあり、人によってキータッチやキーサイズの好み等もあり、一律に固定されてしまうとやはり具合が悪かったのではないでしょうか。
ご紹介したキーボード型のパソコンはいかがだったでしょうか。個人的にこうした珍品にはたいへん興味があるので、常に面白いものはないかと目を配っています。最近はスマホやタブレットに代表されるように没個性で、私のようなゲテモノ好きにはつまらないモノにしか映りません。性能や使い勝手を追うのも良いのですが、一方で性能とは別の次元でユニークなPCはやはり魅力的です。20世紀末から21世紀初頭辺りが最もユニークなPCが多く排出された時代で、私にとっては古き良き時代だと思えるのです。
|
||||||