34.自作PC 小型キューブ<H67H2-I> (2019.4.24)

Minimo・Q(Mini-ITXケース)にH67H2-Iを組み込んだ自作PC。

前回に続いてMini-ITX規格のマザーボードを組み込みます。ケースはMinimo・Qと言う名の小型筐体です。これはキューブ型と呼ばれるもので、フロントパネルから見ると正方形に近く、奥行きが長いBOX筐体です。キューブ型は小さく見えますが意外に設置面積を取るため、個人的にはあまり好みではありません。ですが、今回のケースは小型ながらハイスペックのPCを作れる素材と見て、その線で部品等をチョイスすることにしました。そう思った最大の要因は電源に標準ATX電源が使える点です。大容量の電源が使えれば、高性能のCPUやグラフィックカードを搭載できます。ケースにはパンチングメタルの孔が沢山開いていて、放熱ファンも複数付けられるので、高い冷却性能が期待できます。

ところで、前回のMETIS PLUSもキューブ型の部類ですが、奥行きが短めで背が少し高くなっていて、キューブ型の進化系と考えられます。そうしたデザインが可能になったのは、光学ドライブをバッサリと切り捨てたからです。最近ではDVDドライブ等も使う機会が減り、必要ならUSB接続のものを使えば良いとの流れからでしょう。このキューブでは光学ドライブを1基搭載できるため、手持ちのDVDスーパーマルチドライブを付けることにしました。電源は500Wのものを流用しています。これだけあればミドルクラスでも省電力型グラフィックカードなら付けられるでしょう。

マザーボードはECS製のH67H2-Iと言うLGA1155スロット搭載のモデルで、CPUは第2~3世代のCore i3~i7が使えます。この世代にも廉価版としてCeleronやPentiumがありますが、世代が新しいだけあって処理能力もかなり高くなっています。コストパフォーマンスが抜群だったため、当時はこれらでPCを組んだ人も多かったと思います。現在では第2世代のCore i5やi7の中古がずいぶん安くなったので、安価に高性能を手にすることができるようになりました。今回は以前に入手してあったCore i5-3470を使うことにします。第3世代のモデルでIvy-Bridgeと呼ばれるシリーズです。Core i5ながら第2世代のCore-i7(Sandy-Bridge)に近い性能を有しています。

マザーボードにはmSATAスロットが用意されているので、ここに余っていた小容量のSSDを搭載しました。このマザーボードのチップセットではキャッシュに使うことができないため、ワーク用に利用します。もう少し容量が大きければシステム用に使いたいところです。システム用は2.5インチのSSDを別に搭載することにします。マザー上のS-ATAは3Gb/sと6Gb/sの端子が各2ヶずつあります。前者にはHDD、後者にはSSDを接続してシステム側の処理能力を優先しています。

それでは今回組んだPCの部品概要です。
マザーボード:H67H2-I(ECS)
CPU:Core i5-3470(intel)
RAM:8GB<PC3-10600 4GB×2枚>
光学ドライブ:DVDスーパーマルチドライブ
SSD:128GB
SSD:64GB<mSATA>
HDD:160GB×2<RAID0>
グラフィックボード:HD7770(SAPPHIRE)
電源:KRPW-N500W/85+(クロウトシコウ)

マザーボードにはBluetoothが搭載されており、USB接続の無線LAN子機を追加してワイヤレスによるロケーションフリー化したことで、活用用途も大きく広がります。マザーにはUSB3.0も搭載するので、高速な周辺機器の利用にも適します。メモリーは8GBあるため64bitのOSをインストールすることにし、完成度の面でWindows 7 Professionalを採用しました。ただし、まもなくWindows 7のサポートも終了するため、その後はネット利用には不向きとなります。XP同様にネット以外の作業用にするつもりです。

ケースFANは背面1基に加えて上面1基を追加して計2基構成とします。上面にはもう1基前側に追加できるのですが、5インチベイと干渉するために、どちらか一方しか付けられません。ケースデザインが5インチ光学ドライブを想定しているため、こちらを優先することにしました。電源を前方に付けるためにケーブル類はマザーボード側に出ることになります。この間のスペースはほとんど無いため、通常サイズの電源を入れると今回のマザーではモロにATX主電源コネクタとケーブルが干渉する結果になりました。そのため奥行きの短いタイプに電源を変更せざるをえませんでした。それでもケーブル類が多いと狭いスペースに収めるのが大変ですが、採用した電源のケーブルはリボン(フラット)タイプのため、あまり場所をとらずに比較的すっきりと収まりました。小型筐体はコンパクトな反面、部品を選ぶので注意が必要です。

●内部(上面)
HDDは5インチドライブの下に3.5または2.5インチのいずれかを1基取付けられます。3.5インチの場合は補助金具が必要ですが、上には5インチドライブのマウンタ、下には電源があり、その間のスペースがあまり無いために(正確には電源の取り付け高さの余裕が大き過ぎて、上一杯に取り付けてしまうとHDDと干渉する)、後からHDDを固定しようとすると金具がスムーズに入らない場合があります。そのため電源は後で固定するようにします。

今回はデータ用に2基のHDDを搭載するため、2.5インチHDD2基を3.5インチ変換アダプタ(HDD2基用)に取り付けて、これを3.5インチドライブの代わりとします。そうなるとシステム用のSSDを固定する場所がありません。仕方無いのでDVDドライブの上に両面テープでSSDを固定することにしました。幸い天板との隙間がある程度あるので、うまく収めることができます。

ケース上面後方にはケースFANを固定するマウンタが別パーツで付いており、ここにはFANの代わりにHDD/SSDを付けることが出来るようになっています。しかし、FANを優先するとドライブは付けられません。本ケースにはこうした複数の選択肢が用意されていますが、あちら立てればこちらが立たずで、どうにも中途半端な印象が否めません。

 
●内部(左側面)
電源の左側にはそれなりにスペースがあるので、側面に2.5インチのドライブを取り付けることは可能だったはずです。大型のグラフィックカードを付けると干渉する可能性はありますが、最悪、横幅を若干広げれば済むことなので、もう少し拡張性に配慮すべきだったと思います。

今回のように短めのグラフィックボードなら、写真のように前方には結構スペースが出来ます。ここに予備のマウンタが付けられるようにすると更に拡張性が高くなります。2.5インチなら縦にドライブを配置して、写真に向かって奥側にももう1基(合計2基)取り付けられそうです。SSDの大容量化で過去の小容量SSDが余るケースも多くなってくるので、パーツの有効利用にもつながると思います。

比較的新しいPCケースだけあり、フロントパネルにはUSB3.0ポートを標準で搭載しています。今回はグラフィックボードを優先したために、拡張スロットにUSB3.0ボードは付けられません。幸いマザーの背面コネクタに3.0ポートを搭載しているので、高速転送が必要な場合は背面ポートを利用することにします。前面の3.0ポートは2.0変換プラグを使ってマザー上の2.0コネクタに接続したため、速度的には2.0としての使用に限定されます。


●前後パネル
フロントパネルは左側にUSBコネクタやスイッチ等がまとめられています。前面が電源の排気部にもなるため大部分がメッシュになっており、後は光学ドライブの開閉扉と右下のロゴだけのシンプルなデザインです。電源とHDDのLEDはそれぞれ青と赤で、小さな穴から光が漏れ出る感じです。目の前に置くデスクトップPCの場合、明る過ぎると眩しくてうっとうしく感じるものですが、さりげなく光る本機のようなLEDは上品に見えます。

●ベンチマーク
部品スペックから考えて、ベンチマークは25万以上になると予想しました。結果的にはこれまでで最高をマーク。グラフィックボードが比較的新しく、性能が上がっているのが要因のようです。

本機には各パーツも含めて5個のファンが付いていますが、ケースが開放的な割に静かな稼動音に仕上がりました。耳を近付けないとほとんど聞こえず、机上に置いても気にならないレベルです。もちろんゲーム等で高負荷をかけると状況は変わると思いますが、普段使いなら静音PCとして十分通用すると思います。

内容的には特に目新しいものはありませんが、小型のキューブPCとしてはかなり高いポテンシャルを実現できたと思います。小型の分、中身が詰まっているため、持つと思ったよりずっしりと重量があります。元々ケース自体に足は付いておらず、後から硬いスポンジ状のゴム足を貼り付けるようになっていますが、この手のものは長期間設置するとゴム足がずれてしまう傾向があります。縦置きもできるようにとの配慮で貼り付け式にしたようですが、それなら取り付け部分に少しくぼみを付ける等の配慮をすべきでした。もっともローコストのケースとしては、コスト的に難しい面もあるのかもしれませんが。色々課題はあるものの、全体的にはアイデアに富んだ良く出来たケースだと思います。




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