31.自作PC<GA-880GMA-UD2H> (2019.4.5)

Fractal Design Core 1100(Micro-ATXケース)にGA-880GMA-UD2Hを組み込んだ自作PC。

PCと言えば「intel入ってる」と圧倒的なシェアを持つインテル社に対して、果敢に対抗しているのがAMD(Advanced Micro Devices)社です。元はインテルのセカンドソースを製造するメーカーだったようですが、途中からインテルがそれを認めない方針をとったため、独自の互換路線を進めることになりました。元々高い技術力を持つ同社だけに、性能面でもインテルと抜きつ抜かれつの熾烈な戦いを繰り広げています。互換と言うことで低価格路線を強いられる面もありますが、逆にコストパフォーマンスが良いことから商業的にも健闘して現在に至ります。AMDのCPUと組み合わせるチップセットのグラフィック性能が高いこともあり、安価で高性能なマザーボードを入手できるとあって、マニアを中心に根強い人気があります。グラフィックチップで有名なATI社を買収してからは、CPUにGPUを統合したAPUを開発するなど、近年その存在感は益々増しています。

今回はAMD系のマザーボードでGIGABYTE社のGA-880GMA-UD2Hを採用しました。手持ちの部品の整理を兼ねて、全体の性能のバランスを考慮しつつ、ある程度の高性能を狙います。マザー関連は後ほど詳細をレポートしましょう。組み込みに使用したケースはFractal Design製のCore 1100で、設計はスウェーデンで行われているようです。北欧スカンジナビアデザインとのコピーが同社のホームページで紹介されています。写真のようにコンパクトで無駄の無いシンプルなデザインをしており、価格も安価に抑えられています。フロントパネルはプラスチックですが、アルミのヘアラインのような処理を施して高級感を演出しています。ケースの板金は薄手でやや頼りない印象ですが、成型を工夫するなどして結構剛性がありながら軽量です。

ファンを前部に1基搭載し、後部と左側面に各1基取り付けスペースがあります。HDDの搭載部分が独特で、板状のマウンタに3.5インチなら2基、2.5インチなら3基固定でき、側面からマウンタごと着脱できるようになっています。そのおかげで比較的コンパクトでありながら、ケーブル類の取り回しもしやすく、メンテナンス性も良好になっています。またHDDの振動を伝えないように、ビス部分に防振ゴムが取り付けられています(3.5インチHDDのみ)。5インチベイは2基あり、光学ドライブ等が取り付けられます。昨今のトレンドとは異なり、電源は上部配置で裏面側の側面には配線スペースも無く、意外にもオーソドックスな形でまとめられています。

今回組んだPCの部品概要です。
マザーボード:GA-880GMA-UD2H(GIGABYTE)
CPU:Phenom II X2 555BE → Phenom II X4 B55(AMD)
RAM:8GB<PC3-10600 2GB×4枚>
光学ドライブ:ブルーレイ/DVDスーパーマルチ
SSD(システム用):120GB(Transcend)
HDD(データ用):250GB+250GB(RAID0)
グラフィックボード:GTX560(SAPPHIRE)
USB3.0ボード:外部2ポート、内部2ポート
電源:HX650W(CORSAIR)

ここで注目すべき点があります。CPUの項目ですが、実際に搭載しているのは左側のPhenom II X2 555BEです。それがシステム上は右側になっています。実はこのモデルはX4と同じダイが使われており、コア2個を無効化することで2コアにしています。マザーボードには無効化したコアを復活させる機能が搭載されており、運が良ければ4コア化してPhenom II X4にすることができるのです。ただし、AMDが保証するものでは無いので、歩留まりを上げるために不良コアを無効化したものと区別が付きません。4コア全てを有効化できるとシステム上はB55と認識します。実際に問題無く動くかは動作させてみないとわからないので、ややバクチ的な要素があります。また、BEと付くのはBLACK EDITIONのことで、クロック倍率フリーのモデルに付与されています。オーバークロックが手軽に出来ることから、こうしたユニークな戦略もマニアに根強い人気がある秘密だと思います。せっかくのBEモデルなので、オリジナルの3.2GHzから3.4GHzへとプチ・オーバークロックしました。

OSはWindows7 Pro(64bit)のためメモリーを8GB実装し、多目的に使えるようにグラフィックボードを追加して性能向上を図っています。レスポンスを落とさないようシステム用にSSDを、データ用もアクセスの高速化のためHDD2基をRAID0で構成しています。これらによってベンチマークも20万以上を目指しました。

●内部
ケース内の構造は至ってシンプルです。HDD/SSDはマウンタを工夫することでメンテナンス性が向上しています。その分、搭載個数が少なくなっていますが、昨今のドライブの大容量化や外部ディスクの利用によって、数は少なくても良いと割り切っているのでしょう。ただ、スペースに無駄も出来るので、マウンタを2段にして(奥側はドライブを上下縦に配置する等の工夫で)搭載数を増やせるようにしたら良かったと思います。

フロントの5インチベイ上段にはブルーレイ、下段には3.5インチのHDDを交換できるようにリムーバブルケースを組み込みました。ケース前後のサイズがやや短いため、電源は着脱式のケーブルを採用しています。従来のものではDVDドライブ等を付けるとケーブルの取り回しに苦労するかもしれません。

写真にはありませんが、グラフィックボード冷却のため左側面パネルに冷却ファンを1基追加しました。吸気側で使用しているので、背面のファンを排気側として更に追加したいところです。

最近のマザーボードはUSB3.0ポートも標準で搭載しているのが普通ですが、本機のようにこの当時のマザーでの搭載は比較的珍しかったと思います。ただし、内部用のコネクタは付いていない中途半端なもので、フロントで利用するためには内部コネクタ付きのUSB3.0拡張ボードを追加しなければなりません。フロントケーブルをリアパネルのコネクタに接続する方法もありますが、変換ケーブルが必要になるのと見た目も美しく無いので却下です。最初はフロントの3.0を2.0コネクタに変換してマザーに接続しようと思いましたが、やはり3.0で使いたいので無駄だと思いつつ拡張ボードを追加しています。


●前後パネル
フロントパネルはヘアライン調で高級感があり、レイアウトもシンプルながらうまくまとめられています。フロントにUSB3.0と2.0のコネクタが1個ずつなのは、マザーボードの関係からすると中途半端な印象を受けます。どうせなら各2個ずつ配置すべきでした。HDDのアクセスLEDが白色なのは微妙なところです。

リムーバブルHDDのパネル部分が木目調なのは、全体のデザインを損ねている感じで気に入りません。たまたま手持ちがこれしか無かったため仕方ありませんが、できれば黒パネルに交換したいところです。リアパネル側ですが、グラフィックボードの板金が劣化していたので、金色に塗装してきれいにしました。ちょっと豪華に見えてなかなか良い雰囲気です。最下段のPCIスロット1基は空きになっています。

●ベンチマーク
やはり第二世代以降のCore iシリーズと比較すると、Phenom II X4では見劣りする結果です。他の値は悪くないだけに、あと一歩足りない点が残念なところです。それでもベンチマークは目標をクリアしているので、十分な実用性を備えていると思います。

今回のPC製作も残り少ない余剰パーツの有効利用が主目的でしたが、ケースや電源等新たに入手したパーツも含まれています。各部の劣化を考えるとあまり投資をしたくは無いので、今後もなるべく有効に活用できる組み合わせを考えたいと思います。

<追記(2019.4.9)
リアに排気ファンを追加しました。口径がやや小さいため騒音も大きめですが、マザーには制御コネクタが1個(既にフロントのファンで使用)しか無いため、小型ファンコントローラーを付けることにしました。ダイオードの順方向電圧降下を利用して電圧を下げる方法もありますが、今回は手持ちのファンコントローラーが余っていたので流用します。ボリュームで音が気にならない程度まで回転を下げるだけなのでお手軽です。側面のファンも音が大きめだったので、ついでに手持ちの中からより静かなものに交換しました。全体としては結構静かになったと思います。

ところで、順調に動作していたところで1点問題が発生しました。スリープに入った後、ごく短時間なら解除できるものの、少し放置するとPCが無反応になることが判明。設定ではUSBキーボード等でスリープを解除して復帰できるはずですが、電源ボタンですら何も反応しません。一度電源を切断して再度通電し電源ボタンで起動すると、なぜかオフからの起動では無くてスリープからの復帰動作になります。このようなケースは初めてです。色々調べているうちに、LANケーブルを抜いた状態でスリープさせれば正常に復帰することがわかりました。

LANに関わる問題としてググッてみると、同様のケースで解決した例を発見。どうやらデバイスマネージャーを開き、ネットワークアダプターの項目のLANデバイスで詳細設定を変更すると正常復帰させられるようです。方法は下記の通りです。
・Green Ethernet *グリーンイーサネット
・Shutdown Wake-On-Lan *LAN上のウェークアップのシャットダウン
・Wake on Magic Packet
・Wake on pattern match
を全て無効に設定にします。(*印は私のPCの場合の表記)
詳細な調査はしていませんので、全ての項目が関係するのかは不明です。私の場合は有効になっていた項目もあり、少なくともこの設定変更で正常に解除できるようになりました。Windows7を使用していて同様のケースでお困りの方は、試してみる価値があると思います。

上記とは別に話になりますが、Bios設定でパワーマネジメントをS3にしているにもかかわらず、デバイスマネージャーのマウスやキーボードの設定で「電源の管理」が表示されないことがあります。私のケースではUSB3.0拡張ボードに接続したハブ上のUSB機器では表示されませんでした。仕方無いので電源ボタンでスリープを解除していましたが、やはりUSBキーボードからの復帰が出来ないと不便です。そこでオンボードのUSB2.0ポートにハブごと接続を変更したところ、正常に表示されるようになり復帰も可能になりました。拡張ボードのハードかドライバの問題だと思いますが、USBポートによっては不具合を起こす場合があることを覚えておくと良いでしょう。




● HOME ●