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28.Dragon Slayer PCケース (2019.1.20-2019.3.12)
私は以前に小さなPCが好きだと書きましたが、それとは別にオリジナリティ溢れる独創的なデザインにも魅力を感じるのでした。そこで、最近お気に入りなのがこれ、IN WIN製のMicro-ATXケースです。Dragon Slayer(ドラゴンスレイヤー)と、いかにもゲームPCを連想させるような名称で、かなりアクの強い風貌をしています。メーカーによると、甲冑をまとった中世の騎士をイメージしたとのことです。なるほど、フロントパネルを眺めていると、何となくそんなイメージがわいてきます。メッシュを多用することで、一見して冷却性を重視したことが伺えます。しかも標準でファンを4基搭載し、更に左側面にも最大4基のファンが付けられます。ケースはメッシュやパンチングの穴等でほとんど開放状態のため、冷却性は抜群だと思われますが、その分騒音に関しては、内部の音がダダ漏れもやむなしと言ったところでしょうか。もっとも搭載しているファンは意外に静かで、それほど気になるようなレベルではありません。このケースはPCメーカーにも採用され、例えばMouseComputer製のGTUNEのベースにもなっています。 私自身はゲームをしないので、さほど高性能なPCは必要無いのですが、色々なPCを組んできた流れで、何となくそうした類のPCも組んでみたくなりました。そろそろ自作PCも終わりにしようと考えているので、最後の締めくくりとしての取り組みです。もっとも最強のPCを組むにはそれなりに予算もかかるし、実際に活用する予定も無いことから、手持ちの中古パーツを中心にそこそこの性能を狙いたいと思います。このケース自体も中古入手品で、2010年頃に販売されていたことから、既に8年位は経過していると思います。十分レトロなケースですし、今となっては少々時代を感じる部分もありますが、それがまた独特の風格をかもし出しているのかもしれません。 後半では組み上げたPCの実像をご紹介するとして、まずはケースについて詳細を見ていきたいと思います。全体のサイズはMicro-ATXの標準的なものと比べると少々大型です。大きいためにケースとしての自由度は高く、組み立て作業もしやすくなっています。現在では当たり前かもしれませんが、この時代では珍しくマザーボード底面側板金下(向かって右側)に線材を通すスペースが用意されていて、内部をすっきりとまとめることができます。CPUの下にもメンテナンスホールがあり、CPUクーラーの着脱にも配慮されています。フロントパネルは前述のように凝ったもので、そのままでもアピール度は満点です。ドライブベイのカバーも兼ねているので、DVDドライブ等を付ける場合には、このカバーを外す必要があります。カバー自体は左右横から突き出したツマミのようなものを内側に押せば、簡単に外すことができます。中央部に大型のファンがあるため、ドライブベイは上下2箇所に別れています。上部では上から5インチドライブ、3.5インチドライブ用です。その下に2.5インチドライブを付けられるようシャドウベイが用意されていて、私はここにSSD(システム用)を配置しています。 下部はユニット状のマウンタ(着脱可)を取り外せば、5インチベイが2個となります。ここにもDVDドライブ等が付けられます。ユニット状のマウンタは3.5インチドライブ用で、3.5インチのHDDなら3個まで取り付けられます。専用の取り付けスライダが付いていて、それでHDDをはさんで後ろからはめ込むようにセットします。ユニット状のマウンタには前方に冷却ファンが付けられていて、HDDと共に拡張スロットに付けたグラフィックボードに直接外気を送って冷やします。ケースには排気用として後部と上部に2基のファンが付いているため、エアーフローもよく考えられた設計です。なお、各5インチドライブと上の3.5インチドライブはビス止めは不要で、ロック部品でワンタッチで固定できるようになっています。 電源は後部下に設置するため、ケースの安定性にも寄与します。大きめのケースなので組み立てやすいと上述しましたが、実は電源周りは注意が必要です。このケースは前後が比較的コンパクトに出来ており、後部の電源と前部のマウンタ部の間にあまり隙間がありません。そのため電源関連のケーブルをうまく処理しないと、ドライブのケーブルと干渉する事態となります。ここはとにかく狭いので、HDDのケーブルを接続するのも大変です。もう少し何か工夫ができなかったのでしょうか。電源はなるべく奥行きの短いもので、できれば不要なケーブルを外せる着脱式のものが望ましいでしょう。フロントパネル中央のファンの後ろがかなり開いているので、ここに縦にHDDをマウントする方法もあったように思います。
続いて今回組んだPCの全貌を解説します。まずは使用部品の概略です。今回はオリジナルのフロントパネルを活かすため、光学ドライブを付けずに全てカバーを元のまま付けておきます。 ゲーム用を狙うならグラフィックボードは少々非力ですが、普通の作業には全くのオーバースペックです。そのため、なるべく静音でアイドル時の消費電力が少ないものを選びました。そもそも電源容量に余裕が少ないので、あまりハイスペックな電力消費の高いボードは付けられません。CPUはCore-i7 2600辺りにしたかったのですが、手持ちの関係でややスペックダウンです。いずれ10%程オーバークロックして、多少なりとも差を補ってみようかと思います。
スペック的には、5年位前のハイスペック水準(ハイエンドにはまだまだ・・・)といったところでしょうか。ベンチマークソフトのCrystalMarkによる総合スコアは27万程度。一応自分の目安で20万以上(できれば25万程度)のスコアを目標としています。これが30万とか40万とか、上を見たら切りが無いので妥当な線と言えるでしょう。もちろん総合スコアと共に個別のスコアも快適さに重要なので、目的に合わせて部品を強化すべきだと思います。 因みに普段メインPCとして使っているのはHP製のPavilion s3720jpと言う、今となっては骨董品級のPCです。小型で机の上に置いても邪魔にならず、本コーナーでも初期に紹介したお気に入りPCの姉妹機なので、今でも自宅で活躍しています。元はWindows Vistaでしたが、今はWindows 7で快適に使えています。画面表示能力を高めるためにグラフィックボード(GF9300GE)を増設しています。CPUはAthlon X2 4850eと省エネ系で、さほど高速ではありません。少し前まではHDDの尋常でないアクセスのおかげで引退も考えましたが、SSDに換装することで十分実用に耐える状況になりました。現在のスコアは10万弱、つまり普段使いならこの程度で十分と言うわけです。 参考までに、予備機として稼動させているのがFRONTIER製のFRS705/23Aです。グラフィックボード(HD4350)を増設、HDDやメモリーもスペックアップしているため、オリジナルよりスコアは良いと思われます。総合スコアは12万程度でこちらはHDDですが、1TBの大容量品は結構高速のために足を引っ張るケースは減少します。また、CPUがCore2 Quad Q9400とスペックが比較的高いので、普段は特にストレス無く使えます。前者はCPUスペックが低い分を、SSDの高速アクセスでカバーしている感じです。両者を比較すると使い勝手にも特長があります。バランス的にはSSD化した前者の方が良いと感じるので、いかに現在のWindowsにおいて、システムドライブの速度がボトルネックになっているかがわかります。HDDにアクセスが集中することで、PCが反応しない状況が度々起こるのはそのためです。特にWindowsのアップデート処理が重なると尋常では無い状況で、一昔前のPC以下と感じるほどに使い勝手が猛烈に低下します。従って後者もSSD化は避けられないと考えています。
もう一つ参考までに。CPUにintel製のATOMを搭載した省エネPCがあります。一時期安価なネットトップPCやネットブックノートに多用されたもので、グラフィック性能を強化したIONプラットフォームを採用したPC(ATOMはデュアルコア)の場合、6万程度のスコアになるようです。ノーマルの初期のATOM(シングルコア)ではせいぜい3万程度で、さすがにこのクラスだと快適とは言えません。スコア的には最低でも5万程度は欲しいところです。ただし、XPのSP3中期位まではHDDのアクセスはさほど集中しないため、スコアが低くても意外にもストレスを感じる程ではありません。(ノーマルのATOMでも結構使えます) Doragon SlayerはユニークなデザインのPCケースですが、他にも興味深いケースは色々あります。最近はパーツ類が小型で高性能になったのと、光学ドライブ不要の傾向から、コンパクトにスッキリとまとめたケースが増えたように思います。パネルにガラスを採用して中が見えるようにしたり、光輝くファンを多用して派手な演出をしたりと、多様な楽しみ方ができるようにもなりました。ただ、コストダウンの影響もかなり影を落としており、ペラペラの紙のような板金の外装や、組み立て精度の悪いケースも増えています。軽いのは良いのですが、耐久性や扱いに注意しなければなりません。本機のような質実剛健なケースは、貴重になりつつある存在ではないでしょうか。その分やや重いのは仕方の無いことかもしれません。 実はお気に入りとなったこのケース、手元にはDragon Slayerが3台、GTUNEが1台と計4台あります。どれも高性能を目指して組んだので、なかなかのスペックを誇ります。いずれ処分するにしても、しばらくは眺めて楽しむことにしたいと思います。 <追記(2019.3.12)>
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