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19.ONKYO Liverpool K-1000 -カセットデッキ- (2016.1.3)
本機もまた、バブル真っ最中の1989年に登場したカセットデッキです。Liverpoolと言う名称で呼ばれた高級システムコンポの1つで、2ヘッドでオートリバースのシングルデッキながら、単品で価格が12万円(税別)もした異色の製品です。高価なオーディオ用部品をふんだんに使い、デザインもカセットデッキらしからぬスタイリッシュなもので、いかにもバブル時代の申し子といった感じがします。サイズもコンポとしては大型の部類ですが、デザインを優先し過ぎたせいかボタンも小さく文字も読みにくいので、使い勝手はお世辞にも良いとは言えません。しかも表示部が液晶タイプで見にくく、扉の中にあるので普段は動作状態も良くわかりません。3ヘッドのカセットデッキが買える価格帯であることから、あの時代で無ければあえて本機を選ぶ理由は無さそうです。それほど数が売れたとも思えないので、今となっては希少性は高いのかもしれません。ネットで検索しても情報がほとんど得られず、詳細はよくわからない製品です。 さすがに製造から25年以上経過しており、本機を入手した時には再生してもテープが回らず、すぐにモーターが停止する状態でした。外観は高級感があって状態もかなりきれいだったので、とりあえず修理を試みることにしました。カバーを開けてまず驚いたのは、内部が長期間経過したとは思えない程ピカピカだったことです。保存状態が非常に良かったようで、恐らく通電も短期間だったに違いありません。幸いキャプスタンベルトが伸びて緩んでいただけのようなので、例によってゴムシートから平ベルトを切り出し交換することにしました。ところが、カセットメカユニットを外そうとしたら、恐ろしく入り組んだ筐体設計がされていることがわかり、ほとんどバラバラに近い状態にまで分解しなければならなくなってしまいました。ビスがほぼ統一されていたのは救いでしたが、正直なところ二度とバラしたくないと思います。ほんの少し配慮されていればメカだけ簡単に外せたのは明らかで、バブルの頃だけあって難解なパズルのごとく趣味で作ったような代物でした。修理時に常々感じることですが、メーカーは修理することを前提に設計してはいません。最近は廃棄物のリサイクルの気運が高まり、分解にも配慮する例が増えてきましたが、それでもまだまだ十分では無いと思えます。メーカーにとっては修理して長期間使用されるより、買い替えを狙って売り切りとした方が都合が良いからなのでしょう。 カセットメカユニットを取り出すまでが大変でしたが、ユニット自体も同様に難解な作りでした。おかげでキャプスタンベルトを交換するために、これまたかなりあちこち外さなければなりませんでした。いつも適当に部品をバラしてきちんと整理しないので、途中で元に戻す自信が無くなってしまいましたが、幸いどうにか動作するように組み上げることが出来ました。メカは4モーター構成で、キャプスタン、リール、ローディング、ヘッド移動用に独立しています。
さすがに高級カセットデッキだけあって、音質はなかなか良いと感じます。キャプスタンのフライホイールも重量のある物が使われているせいか、手製の簡易ベルトの割りに自分の耳ではワウフラッターも特に感じません。これでまた1台カセットデッキコレクションに加えることができました。
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