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7.MouseComputer LM-M100S (2015.1.23)
先頃USBメモリーのようなスタイルの超小型パソコンを発売して、一躍脚光を浴びたのがMouseComputerです。名前から外国のメーカーだと思っていましたが、実際には国内メーカーでした。同社は既製品を利用したBTOを得意としており、コストパフォーマンスの高い製品を提供しています。価格を抑えるために安価な部品が使われることが多いせいか、どうも壊れ易くて安物のイメージが強いのですが、前述のようにユニークな製品も多く手がけています。今回紹介するLM-M100Sも、なかなか面白いパソコンです。写真を見てもわかるように、一見するとパソコンと言うよりも無線LAN親機のようなデザインをしています。大きさはDVDドライブを2個並べた程度で、デスクトップとしてはかなり小型の部類に入ります。これまで紹介したパソコンの中でも、群を抜いて小さいと言えるでしょう。一時期流行ったネットトップパソコンの類で、ノート型のネットブックと共に従来のパソコン価格の常識を打ち破ったエポックメイキングです。どちらもCPUにはインテルのATOMが使われることが多く、処理能力がやや低いためにサブパソコン的な意味合いが強いと思われます。当時はインターネットが爆発的に普及した時期でもあり、手軽にネットにつなげたい向きにピッタリだったのでしょう。この種のパソコンは何となく中途半端な印象が拭えず、その後登場したタブレットやスマホに押されて次第に衰退していきます。 本機の仕様について、CPUはATOM 230(1.6GHz)を搭載し、メモリーは1GB(DDR2 SO-DIMM)でHDDは160GBと、ネットブックやネットトップとしては標準的な構成です。ネットサーフィン程度であれば、問題無くこなせる機能と性能を備えています。映像や音楽のストリーミング再生の他、スリムタイプのDVDスーパーマルチドライブを搭載しているので、DVDビデオ鑑賞等にも使えます。用途がある程度限定されるため、インターフェースも最小限でLANは10/100Baseの標準的なもの、基本的に拡張はUSBによって行うことを前提としています。ただし、モニター出力はRGBのみなのが残念なところです。本機の性格上リビングパソコンとしての利用も視野に入るので、できればHDMI出力(またはDVI:アダプタでHDMIに変換)を搭載して欲しかったと思います。 外観は側面がピアノブラック(光沢の黒)になっていて、購入時には保護シールが貼られています。私は個人的にこの手の外装は大嫌いです。安っぽい光沢の上に手で触ればすぐに指紋だらけになるし、布で拭けば簡単に傷が付きます。近頃急激に幅を利かすようになった外装の仕上方法ですが、正直言って悪趣味でしかありません。製品によってはワックスが塗られていて、触れるだけでベタベタして気持ち悪く、何が良くてこんなものがはやってきたのか不思議でなりません。昔は表面は梨地のシボ加工が主流で、半光沢で落ち着きがあり、傷も付きにくい優れた処理がされていました。それなりにコストがかかったでしょうから、やはりコストダウンの影響なのでしょうか。中国人好みの仕上げとの見方もあるそうですが・・・。 本機は低消費電力で発熱も比較的少ないため、主な排熱は背面の小さなファンに頼っています。後は上下のスリットによる空気の流れを利用した自然空冷になります。ところが、HDDに3.5インチを採用しているため結構内部に熱がこもりやすいようです。結果的にCPU周りの電解コンデンサが劣化を起こし、起動不能になると考えられます。数個の不良コンデンサを交換すれば良いのですが、実はこれがなかなか大変なのです。10年近く前からハンダにはRoHs指令に基づく新しい材料が使われるようになり、ここ数年内の電子機器の多くがこの指令に準拠するようになりました。もちろん本機も例外ではありません。RoHs用のハンダは融点が高いため、普通のハンダゴテではなかなか溶けません(と言うよりもほぼ溶けない)。手元にあるコテもRoHs用では無いため、従来の鉛入りハンダを混ぜるような感じで大量に溶かし込み、混じったハンダ全体を溶かして部品を外すという荒技を使うしかありません。
<補足> ただし、環境保全に効果があるのを除けば鉛フリーハンダには欠点しか無く、未だにその賛否が議論されている状況です。従来のハンダに匹敵する代替物質はなかなか見つからず、メーカーも製品の製造には苦労していることでしょう。参考までに、現在のところヨーロッパ以外ではRoHs指令は義務付けられていません。それでも鉛フリー化の流れは急速に進んでいるようです。
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