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6.DELL Optiplex SX270 (2015.1.21)
DELLと言えば、一時期はBTOで世界を席巻したパソコン業界の巨人です。その魅力はと言えば、とにかく性能の割りに価格が安いことでしょう。また、ネットで注文するとわかりますが、受付から製造、発送に至るまで、その状況をメールで刻々と伝えてくれます。まるでオーダーメイドで発注したかのようです(BTOなのである意味そうなのですが・・・)。だから今から10年程前には、私の大のお気に入りのメーカーでした。今のように中古全盛の時代では無かったため、高価なパソコンはコストパフォーマンスこそ第一だと考えていたからです。国内のパソコンメーカーのように、必要の無いソフトを山ほど付けて高く売る姿勢が気に入らなかったせいでもあります。当時は新品でDELLのパソコンを何台か購入しました。DELLの場合は、法人として登録しておけば個人よりも更に安く購入できるのです。特に個人事業主等は、ずいぶんその恩恵に預かったのではないでしょうか。実際には自己申告で特に審査があるわけでも無く、事業者でない個人でも法人として購入することができます。 DELLから最初に購入したのは、実は今回紹介するSX270ではありません。その前のシリーズSX260の個人向け(SXシリーズは法人向け)で、Dimension 4590Tという型番のパソコンです。いずれもデザインは全く同じで性能も似通っていますが、LANはSXシリーズがギガビットなのに対して、Dimension 4590Tは10/100Baseと劣っています。当時としては家庭用にギガビットLANは不要と考えられていたのでしょう。Dimension 4590Tはデザインも良く、何より小型で場所をとらないのが最大の特長でした。しかも軽くて静音であり、CPUもPentium 4の中~上位クラスを搭載するなど、当時のWindows XPにおける処理能力としては十分でした。ディスプレイもまだハイビジョンが普及する前だったため、必要十分な表示領域を確保していたのです。つまり当時のハイスペックな性能を、小型の筐体に凝縮したマシンだったわけです。しかもスペックの割りに低価格なのですから、もはや購入しない手はありません。 そう書くと最良のパソコンのように思われるかもしれませんが、実は弱点もいくつかあります。1つは本体の小ささに比べて、ACアダプタがやたらでかいことです。先に書くべきでしたが、このシリーズは小型化のためにACアダプタ方式を採用しています。静かで発熱が比較的少ないのもそのおかげなのです。ところが電源だけは小型の弁当箱と思えるほど大きく、最初に手にした時には愕然としてしまいました。電源ケーブルも必要以上に太くて取り回しが悪く、せっかくの本体の良さを台無しにしていました。当時の技術でも小型化は可能なはずですから、なぜこんなことになったのか理解に苦しみます。やはり当時からコストを最優先した結果なのでしょうか。 次に小型化の宿命として発熱の問題があります。消費電力の高いPentium 4にしては排熱がうまく行われていますが、やはり内部は結構高温になります。Dimension 4590TやSX260の頃は、運が悪いことに低品質電解コンデンサによって世界的な大問題に発展した時期でもあります。そうした粗悪コンデンサが使われていた結果、数年でコンデンサが膨らんだり液漏れしたりして故障してしまうのです。私のDimension 4590Tも大切に扱ってきたつもりでしたが、6~7年経った頃に起動不良を起こし、中を確認してみたら見事にコンデンサが劣化して噴いていました。しかもCPU周りの大量のコンデンサがほとんど全てダメになっており、交換するのも大変な状況に陥っていたのです。それでもまだまだ使い続けたかったので、最終的には中古を入手してマザーボードごと交換しました。本機は2011年頃までメインマシンとして活躍し、今は静かに箱の中で眠っています。現役を引退したのは処理能力が低いせいではありません。ディスプレイをフルハイビジョン表示可能な23インチワイド型に変えたからです。残念ながら、本機もSX260もグラフィック性能が不十分で、このサイズをフルには表示できないのです。 前記に比べるとたいした問題ではありませんが、本機には着脱式の台座が付いていて、前側の受けに加重がかかると本体下部の化粧プレートにめり込んでへこませてしまう難点があります。構造的に後ろで本体全体を支えているのですが、板金のしなりのせいで本体の前側にも力がかかり易く、しかも点のような3ヶ所で当たるため、狭い範囲に荷重が集中してしまうのです。デザイン段階で分かりそうなものなのに、改良は出来なかったのでしょうか。結局最後まで形状が変わることも無く、中古品は大抵底がへこんでいます。 現在の環境に至る前に、中継ぎで使用していたのがSX270でした。改良型なので多少全体的な性能は上がっていますが、体感できる程の差ではありません。一番の違いは、モニター出力がアナログのRGBからデジタルのDVIに変わった点です。もっとも、これで特に発色が良くなったとかノイズが減ったわけでも無さそうです。画面表示領域は多少広がってはいましたが、やはりこれもフルハイビジョン解像度の表示は無理で、現在の表示環境では採用するわけにはいきませんでした。そのため使用期間は短命で終わり、今はやはり静かに箱の中で眠っています。これらの機種は私の最高のお気に入りなので、末永くコレクションすることにしました。 SX270は改良型と前述しましたが、1点だけ解せない部分があります。内部を見ると、上端近くにパソコンには似つかわしくないセメント抵抗が入っています。小さな筐体にあってかなり目を引く大きさで、しかもこの発熱は半端ではありません。触ると火傷するのは間違い無いでしょう。恐らくコストダウンのため、電源関係のどこかに採用したのだと推測します。悪いことに抵抗のすぐ上に電解コンデンサが配置されていて、経年した同機は見事にこれがパンクします。他にも2~3個弱点となるコンデンサがあるようですが、SX260等に比べれば遥かにマシだと思います。劣化しても数個のコンデンサを交換すればほとんど直るため、実に長く使える優秀なパソコンです。 このシリーズには不思議な傾向があって、標準的なPentium 4の2.4GHzを使用していると大変静かなのですが、それより高い周波数のモデルや同周波数のCPUに換装しようものなら、すぐに発熱によってファンが高速回転を始めて騒音を発するようになります。これもコストダウンの影響なのか、SX270のファンの方が音も大きいように感じます。周波数による処理能力の差は体感ではほとんどわからないので、静かに稼動する2.4GHzで運用するのがお勧めと言えます。 最後にSX270の仕様を簡単に説明しておきましょう。CPUは前記したようにPentium 4の2.4GHz(~3.2GHz)、メモリーは最大2GB、HDDは40/60GB(2.5インチIDE)、スリムタイプのドライブベイは内部でUSB接続されており、DVD-ROMやDVDコンボ、第2HDDやFDD等色々用意されています。ワンタッチで交換できるので大変便利です。本体自体も後ろのレバーの上下動によって、カバーとHDDユニットが簡単に取り外せます。内部も簡潔にまとめられているので、メンテナンス性は上々だと思います。USBは前2と後ろ4の標準的なもので、シリアル/パラレルポートを装備します。モニター出力はDVI(アダプタでRGBも可)でLANはギガビットタイプ。当時としては必要十分なインターフェースを搭載した万能パソコンでした。
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