■ドローイラストの活用-2

●一般ソフト(ビジネス・ホームソフト)での利用
ドローデータの活用として、需要の高い一般のビジネスソフト等での活用方法について説明します。ドロー形式のイラストは、ベジェ曲線と言われるベクトル線が使われていて、これは通常の画像のようなビットマップ(細かい画素の集合体)データではありません(下図参照)。ですから一般のビジネスソフト等では加工も編集もできないのが普通です。

通常目にするドローのイラストは、図の左下のようにビットマップとほとんど変わりません(図ではビットマップとわかりやすいように低解像度で表示していますが、ソフト上では見分けがつきません)。これをアウトラインの線画で見ると図の右下のようになります。ドローはビットマップと違い、線画で描かれた物体の集合体なのです(線画を構成する線をベジェ曲線と呼びます)。図の上のピンクの円内はキャップ部分を拡大したもので、線を選択すると線画を構成する点とハンドルが現れます。このハンドルの長さと方向で、点を含む左右の線のライン形状を変えることができます。ドローはこのような特殊な形態をしているため、ビットマップとは根本的に扱いが異なります。

一般のソフトで利用できる画像はビットマップであり、ドロー形式のデータもビットマップに変換すれば同じように利用できます。ドローの持つ解像度に依存しない高品位の出力という最大の利点は失われますが、変換する際の解像度に注意すれば十分な品質が得られます。Illustratorのバージョン7以降は直接ビットマップに変換する機能がありますので、書き出すイラストを選択して必要な形式に変換出力します。WindowsであればBMPやTIFF、JPEG等ですし、MacであればPICTやTIFF、JPEG等です。イラスト集では色モードはCMYKになっていますから、一般用途(画面表示やインクジェットプリンタ等での出力)でお使いの場合は、必ずRGBモードに変換して下さい。

印刷用途での解像度は一般的に300dpiあれば十分なので、あとはサイズを印刷する際の実サイズになるように設定します。利用サイズがわからなければ大きめに設定して、利用する際に縮小で調整するようにします。ビットマップでは拡大すればそれだけ画像が粗くなるので注意しなければなりません。また、解像度をやみくもに大きくしても、データ量が肥大化するだけで処理に時間もかかるため無意味です。ビットマップへの書き出し機能が無い場合は、必要なイラストをイラスト集からコピーして、Illustratorの新規書類にペーストしてAI形式で保存します。Illustratorから直接PSD形式等へ変換することもできますが、Photoshopを使って開いてビットマップに変換する方法もあります。変換の際に色モードと解像度にご注意下さい。変換後の編集はビットマップでの編集と同じ扱いになりますから、変換後の利用方法についてはビットマップイラストの活用の項目を参考にして下さい。