■ビットマップイラストの活用-4

●アプリケーションでの利用(各種画像変換)
商業印刷(ポストスクリプト系アプリケーション)を利用しない場合、一般的なアプリケーションのドキュメント内に貼り込むビットマップ画像は、通常は使用するアプリケーションまたはプラットフォーム固有の物が使われます。後者の場合は、WindowsならBMP、MacintoshならPICTです。デジタルカメラの普及やネットの広がりによってJPEGも多く使われています。画像モードはディスプレイ表示に適したRGBが原則で、解像度は印刷なら300dpi程度、画面表示なら72dpi(96dpi)が一般的です。画面表示の場合は画像サイズ(ドット数)=画面ピクセル数であり、モニターパネルのサイズや密度が多種多様で、マルチスキャンタイプが普通となった現在では、解像度自体あまり意味を持ちません。各種アプリケーションで利用する場合は、保存する際にどのファイル形式にするかが重要です。グラフィックソフトにPhotoshopをお使いの場合の具体的な手順は次の通りです。方法は前ページの商業印刷の場合よりも簡単です。なお、Photoshop(PSD)形式が利用できる場合は、PSD形式のイラスト集のイラストをそのまま利用できます。

1.イラスト選択
マルチレイヤーによる複合イラストの場合は、利用したいイラストやその組み合わせを選択します(下図参照)。レイアウトパレットに目のアイコンが表示されているレイヤーが可視(見える)状態となり、同時に印刷対象となります。目的のイラストが表示された状態でレイヤーパレットの「画像の統合」を選択し、レイヤーを結合して単独画像のイラストにします。マルチレイヤーでないイラストの場合は、現在表示されているイラストが対象です。

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3.画像サイズ変更
サイズを目的のサイズにします。利用するアプリケーション内でもリサイズは可能ですが、無用なデータ肥大化や劣化を避けるために、なるべくPhotoshop内で行って下さい。メニューバーの「イメージ」メニューにある「画像解像度」を選択し、ダイアログが表示されたらサイズを指定します。解像度はイラスト集の解像度である300dpiとなっているはずです。通常はタテかヨコのどちらかのサイズを指定すれば自動的にもう一方も変更されます。印刷解像度は最低でも150dpi以上に設定して下さい。

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3.マスク処理
マスク処理はEPS以外はほとんど利用できないのが現状です。ただし、Photoshopで保存して再度データを開いた時にマスク情報を保持している形式もあるため、将来的に利用できるようになるのか、あるいはアプリケーションによっては利用できる可能性があります。マスクが利用できるのであれば、必要に応じてマスク処理をします。方法は前項の「商業印刷での利用」をご覧下さい。

4.データ形式を選択して保存
ここまで準備が整ったら、メニューバーの「ファイル」メニューより「別名で保存(バージョンにより複製を保存)」を選択します。ダイアログでファイル名を付けて、保存形式には貼り込み先のアプリケーションで利用できるデータ形式を選択します。保存の際にオプションがあるものについては、Photoshopのマニュアルにてご確認下さい。GIFのように256色までの制限がある形式やデータ容量を小さくしたい場合は、保存前に退色しておきます。