■ビットマップイラストの活用-1

イラスト集-Bに収録されたイラストは、画像が使われた時の文章にマッチするように制作されています。主にカットとして利用したもので、その目的は単にドキュメントの空きを埋めるものでは無く、文章を引き立たせて読者に内容をわかりやすく伝えることが本来の主旨です。どうすればより効果的に演出ができるのか、その一例をご紹介しましょう。なお、簡単な操作はマウスやキーボードで可能ですが、絵を描き変えるにはグラフィックタブレットが必要になります。細密画を描くので無ければ小型のタブレットでも十分間に合うので、ぜひ1台手元に用意しておくと良いと思います。なお、ドロー版のイラスト集-DにもEPS形式のバリエーションがありますが、そちらは原版がドローのため、ドローの特長がそのまま適用されます。サイズ変更による品質低下が無いため、主にDTPで利用するものですが、ビットマップと違って描き方が異なります。詳細はドローイラストの活用をご覧下さい。

イラスト集-BのVer.2以降では、Adobe社のPhotoshopで様々な加工ができるように、データ形式をPhotoshop(PSD)に変更しています。PSD形式は多くのグラフィックソフトがサポートするデータ形式です。WindowsとMacintoshで完全な互換性があり、どちらでも同じように加工して利用できます。ただし、保存の際に他のデータ形式に変更すると、プラットフォームに依存する場合がありますので、最終的に使用するプラットフォーム上でデータ形式を変更保存するようにして下さい。

イラスト集はその制作経緯から、ベースとなったイラストの大部分がMac(Macintosh)にて制作されています。本テーマの元となった説明は、Macの古い時代に作成したもので、現行のものとはデザイン等が異なる面もあることをご了承下さい。主にMacを元にした説明になっていますが、PhotoshopであればWindowsでも同様に扱うことができます。Photoshopのようなグラフィックソフトを使えば、キャンバスに絵を描くのと同じようにコンピューター上で絵を描けます。もちろんCOSMOLIGHTのイラスト集も、そうして描かれたイラストが収録されています。


ネコたちも応援しています。(イラスト集-B3より)

1.色を変える
色彩は人の感覚に大きく影響を与える重要な要素です。背景色や構成部品の色、文章の内容によってイラストに使用されている色を変えることで、受ける印象は違ったものになります。例えばマスク処理されたイラストの場合、下に置いた背景の色とイラストが同系色では、色が沈んでしまい目立たなくなります。周囲の部品の色と同系色でも同様です。色はグラフィックソフトで簡単に変更できて効果も高いので、ドキュメントにマッチするように良く考える必要があります。ただし、何度も色の変更を繰り返すとアンチエイリアス処理のため線が細くなりますから、最終的に使用するファイル以外で色を試し、比較・検討した上で最後にターゲットを変更するようにしましょう。

  

文章の内容とイラストの関係では、硬質な内容や暗い内容の時は寒色系(青・緑等)の色が効果的です。逆にくだけた内容や明るい内容の時は暖色系(赤・オレンジ等)の色が効果的です。淡い色合いにすれば受ける印象も落ち着いたものとなります。あまり濃い色を多用すると、イラストが全面に出過ぎて文書を相殺する場合があるので注意しましょう。

2.向きを変える
特に人や動物等を配置する場合に、向きは重要です。特別な効果を狙う以外は、一般的には関連文章を向く方向にするのが正しい配置です。こうすることで、より文章に注目させる効果があります。イラストの方向は、グラフィックソフトで左右を反転させるだけなので簡単です。

  

3.表情(人・動物)を変える
表情を変えることでより幅広い文章に適用できるようになります。例えば、「・・・すること!」というような硬質な内容を伝えたい場合に、イラストでへらへらと笑っていては効果は半減です。目と口だけでも表情を変えられるので、絵はどうも苦手と言う方にも簡単にできます。グラフィックタブレットを使って作画に挑戦してみて下さい。

  

4.しぐさ(人・動物)を変える
腕を組んだり、物を持ったり指し示したりと、グラフィックタブレットと絵心が無いとやや難しいかもしれませんが、こうした変更を加えることで更にイラストの応用範囲が広がります。

  

5.他のイラストと組み合わせる
イラスト集-Bでは多くのイラストをマルチレイヤー化しているので、簡単に人物等を取り出して他のイラストと組み合わせることができます。グラフィックソフトにはたいてい切り抜きや選択ツールが用意されています。これらを使ってイラスト部分だけコピーして別のイラストにペーストすれば、様々なバリエーションを作り出すことができます。イラストをまるごとコピーするなら、まず選択ツールで背景だけを選択し、「選択範囲の反転」機能を使って範囲を反転させ、有効画像だけを選択するのが簡単です。これをコピーして目的のイラスト上でペーストし、そのまま選択を解除せずに拡大・縮小・回転等をして組み合わせれば良いのです。

 と 

を組み合わせて下のイラストにする

以上のような処理を、イラストに対して単独又は複数組み合わせることで、より効果的な演出をすることができます。マルチレイヤーによる複合イラストを採用することで、COSMOLIGHTのイラスト集-Bでは他には無い応用のメリットを提供します。