■新たな電子書籍フォーマット

AD-BOOKの開発終了後には、電子書籍に対しての関心がしばらく失せてしまっていました。当時は文書やマニュアルを中心にPDFというファイル形式が一般的で、リーダーが無償提供されていたことから、単に読むことに限ればそれで十分だったと言えます。しかし、実際に書籍を出版するとなればライセンスを含む面倒な点も多く、気軽に出版する環境にはありませんでした。その後も独自形式のフォーマットは色々あったようですが、広く普及するような統一されたようなものでは無く、私が再び電子書籍への関心を持つようになるまでには、ずいぶん時間が経過することになりました。ある時、何気なく調べものをしていると、電子書籍のフォーマットとしてEPUBと言う名前が目に飛び込んできました。更に調べて行くと、それが電子書籍の標準フォーマットとして、かなり普及していることがわかったのです。

ちょうどEPUB2からEPUB3形式への移行が始まっていた頃で、調べて行くうちに新たな電子書籍フォーマットとしての可能性に期待を持つようになったわけです。そこで、AD-BOOKに代わる電子書籍として、EPUB形式を採用することにしました。EPUB形式で書籍を制作するためには、まずは使いやすくて高機能な優れたツールが必要です。しかも、なるべくフリーで扱えるものが理想です。色々調査したり試行錯誤してみた結果、最も優れていると判断したのがSigil(シギルまたはシジル)と呼ばれるソフトです。小説や解説本等のテキスト系からマンガや写真集のようなグラフィック系の電子書籍まで制作できることから、これさえあれば一般的な全ての電子書籍をカバーできると思います。

実際にはまだまだ開発途上のソフトのようで、随所にバグがあって(初期のバージョン)完全ではありません。それでも頻繁にバージョンアップが進められていて、完成度も次第に上がりつつあります。多少の不具合があったとしてもツールとしての使い勝手は上々であり、2019年の夏頃に新たな電子書籍の制作に着手し、ほどなく1冊目の書籍の制作が完了しました。因みに同年~翌年にかけて、パートナーサイトで展開した提言を取りまとめて、シリーズ化した形で電子書籍を出版しています。当時はバージョンが1.0位(それ以前?)だったと思いますが、この文章を書いている2020年2月時点では1.8.0が最新です。

ツールはかなり複雑な処理ができるようで、当時もそうですが知識不足から十分に使いこなせていませんが、とりあえず読むことができる状態にはできたので、Sigilを使った電子書籍制作のプロセスを順次紹介したいと思います。まずは要となるSigilを公式サイトからダウンロードする必要があります。下記のリンクからダウンロードできます。それぞれページの上部にダウンロードボタンが用意されています。Sigilは元々は1つのソフトで完結していたのですが、今はソフトの中核である「Sigil」と、編集に特化した「PageEdit」の2つを使って制作するスタイルになっています。やや煩雑な気はしますが、アップデート上の都合等があるのでしょう。実際には編集の際にSigilからPageEditを呼び出す形になっているので、シームレスに作業できて特に意識することはありません。Sigilサイドとしては、編集作業はユーザーが好みの他のソフトを使っても良いと考えているのかもしれません。
Sigilをダウンロード
Page Editをダウンロード
ダウンロードしたファイルはexeファイルになっているので、ダブルクリックして個別にインストールします。インストールオプションは適宜判断して下さい。デフォルトのままで構わないと思います。




準備中・・・