●電子ブックの優位性
前にも書きましたが、電子ブックの対象となるのはあらゆるドキュメントです。どんな素材でも画像データにしてしまえば、全てが電子ブックのページとして使えるものになります。紙の印刷物と違ってページサイズには特に制限が無いため、ホームページのようにページ毎にバラバラの大きさであっても問題ありません。ROOTS自体はディスプレイのサイズに従って適正な表示ワクを用意しますから、ブック制作者はサイズに神経質になる必要もないのです。
ただし、表示ワクより大きいサイズになると、タテ・ヨコのスクロールバーが表示されるため、読者の使い勝手としてはやや低下します。あまりページ毎にバラバラだと、見た目の印象としても好ましくありません。これは電子ブックの制限では無く、ディスプレイや感性の問題です。
電子ブックの自由度は紙媒体に比べて飛躍的に高いので、小容量から大容量のページ数に至るまで、どんなケースにも対応できます。AD-BOOKシリーズは章とページで電子ブックを管理しているので、ほぼ制限無しにいかなる電子ブックでも作成可能と考えて差し支えありません。(ROOTSライセンス版の制限は最大9999章まで、各章は最大9999ページまでと、理論上のトータルで約1億ページまでを管理。フリー版は最大20章、各章は最大100ページの制限有り。)
●電子ブックの用途-1(カタログ・パンフレット)
電子ブックの用途としてまず考えられるのは、カタログやパンフレット等の小冊子です。これらは元々多くの人に閲覧してもらうために大量の部数が必要で、用途としては最適なものと言えます。
電子ブックなら印刷コスト不要でいくらでも部数を増やせる上、関連項目への参照(ROOTSフリー版は不可)やホームページへの誘導等も組み込めて、電子ブックをそのまま販売のためのツールとして活用することができます。また、HTMLでページを記述すれば、動画や音声の他に様々なアクション等でページを演出でき、それらも商品を効果的にアピールしたり、より内容をリアルに伝えるために役立ちます。
●電子ブックの用途-2(書籍)
電子ブックの名前が示す通り、書籍への利用が最も適していると思われます。これまでは出版に多額の費用を必要としたため、コンテンツはあっても出版には至れないケースがほとんどでした。多くの人にとって出版は高嶺の花であり、資金面で断念せざるを得ない現実があります。それでもチャレンジャーは少ページ、少部数の冊子を自費出版し、趣味の延長として細々と活動をしてきたわけです。
しかし、今やインターネットと電子ブックにより状況は一変しました。あらゆる人に門戸は開放され、コンテンツと情熱さえあれば、ネットの世界を通じて誰でも出版が可能になったのです。最低でもパソコン1台とネット環境は必要ですが、後は工夫次第で費用は一切かかりません。営利を伴わない活動であれば、負担すべき費用はほとんど無いと言っても過言ではありません。また、例え営利を考えたとしても、これまでの常識からすれば、必要なコストは破格と言えるものです。
低コストは重要なポイントで、特に自費出版をしてきたアマチュアにとって大きな福音となります。つまり従来はせいぜい小規模の自伝や短編小説のようなものしか出版できなかった人も、電子ブックによって長編小説や作品集、歴史書のような壮大なスケールの本を世に送り出すことができるようになります。もちろんフルカラー可能ですから、写真や絵画等も対象です。更に映像やサウンドもその範囲に含められます。電子ブックの普及によって、きっと埋もれていた才能が一気に花開くことでしょう。
もちろん電子ブックはプロにとっても魅力的なはずです。既に販売のためのインフラも整ってきており、もはや出版社に依存しなければならない必然性も無くなってきました。販売方法についてはまだまだ課題が山積していますが、電子ブックの普及が進めばプロとアマチュアの壁は事実上無くなってしまうと考えられます。だからと言って実力差が無くなるわけではありませんが、知名度だけで君臨しているような作家は、いずれ淘汰されることになるでしょう。
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●電子ブックの用途-3(エンターテインメント)
書籍に含まれるものですが、マンガや絵本等のエンターテインメントも、電子ブックの重要な用途です。主に「見せる」ことを主目的にしているため、そのための技術等は別に必要ですが、アマチュアやセミプロの中には、プロを凌ぐ独創性と才能に恵まれた人達が大勢いるので、電子ブックの普及によって今後益々優れた作品が大量に輩出されるようになることでしょう。一部の出版社による寡占的な市場は、既に群雄割拠の戦国時代へと突入しており、大手出版社の影響力も低下しつつあると思われます。電子ブックの普及が進めば、いずれ作家中心の市場が形成されていくことでしょう。
一方、電子ブックはサウンドや映像等とも結びつくことから、異業種の作家が集まって、コラボレートによる作品作りも増えていくものと思われます。ゲーム業界等がまさにそれで、今や巨大産業に発展しています。ただ、ゲームの場合はハードの進歩によって巨額の制作費が必要になってしまい、それが逆に新しいものを生み出す流れを阻害しているようにも思えます。なぜなら大作であればあるほどリスクを冒すことができず、確実に商売になるものしか作られなくなるからです。巨費を投じれば面白いものができるわけでも無いので、案外ニッチなところから斬新な作品が生まれてくるかもしれません。
●電子ブックの用途-4(マニュアル)
製品には必ず付いているマニュアルですが、最近は印刷費を抑えるために、電子マニュアル化しているケースも多く見られます。また印刷物が付いていても、ペラ1枚のお粗末なケースも多々あります。経費節減でギリギリまで絞り込んだ結果ですが、正直なところユーザーを無視した自己都合による改悪以外の何ものでもありません。手元にあってすぐに確認できてこそマニュアルなので、現状で印刷物が最も適している事実までは否定できません。しかし、省資源化が叫ばれる昨今では、やはり電子ブック化の流れは必然です。そうであれば、できるだけ扱いやすく見やすい事が重要なポイントになります。
現在、電子マニュアルは一般的に2種類のケースに大別できます。1つはブラウザでホームページを閲覧する感覚で見るタイプで、もう1つはPDFと呼ばれる専用フォーマットを利用するタイプです。後者は印刷に適していることから最も普及していると言えるでしょう。しかしそれぞれに問題があります。前者はそれなりの使い勝手の良いマニュアルにするには、メーカー側で電子ブックのようなものを用意する必要があって負担が大きいことです。後者は印刷技術と密接に関係していて優れた点も多々ありますが、ディスプレイでの閲覧に限って言えば、決して使い勝手の良いものではありません。また、PDF化のためのソフトも必要で、もちろん読む側にも専用のリーダーが必要です。そもそもメーカーは印刷物を付けるコストを削減するために電子マニュアル化しているのに、必要ならユーザーが印刷コストを負担しろと言うのでは、ちょっと虫が良すぎるのではないでしょうか。
そこで、マニュアルにROOTS(製品添付ではライセンス版が必要)を導入すれば、両者のデメリットを解消することができるはずです。ROOTSはディスプレイでの利用に特化していますから、シンプルで操作性も抜群です。ROOTSを利用したマニュアルの電子ブック化作業は、社員の片手間でもできる簡単な作業なので、メーカー規模等も全く問題になりません。
製品にCD等を添付できなければ、ホームページからダウンロードするサービスにすれば良い(ネット閲覧も可)のです。社員研修や業務マニュアル等のように営利を伴わないものであれば、フリー版を無料で活用頂くこともできます。導入メリットを実感頂くために、まずはフリー版を試した上でご判断下さい(ただし、フリー版のサポートする機能は、ごく基本的なものに限られます)。電子ブックのスタンダードと呼べるものはまだありませんが、省エネ・省資源・省コストの切り札となるものですから、どんなものであれ、まずは一般に普及することが大切だと考えています。
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