5.Arduino & PIC

シングルボードコンピューターであるRaspberry Pi(以後RasPiと略します)に初めて触れたのが2015年初頭、今から7年近くも前になります。ずいぶん期間が経ちましたが、実を言うと他にやることが色々あって、少しかじって長らく放置状態だったため、実際に本腰を入れて活用を考え始めたのはこの半年余りです。コンピューターで制御する装置を色々作りたくて、主にプログラミング言語Pythonで実現を目指してきたのでした。

しかし、RasPiはマイコンと言うよりもLinuxが走るパソコンの一種と考えた方が正しく、私が実現したい多くの装置にはオーバースペックと言えるものです。確かにハードウェアを制御しつつ、GUIを備えたアプリケーションを走らせるのには、RasPiは最適とも思えます。標準でネットにも繋がるし、他のパソコンから簡単にリモート操作もできます。利点も多いのですが、OSであるLinux上での動作のため、ハードウェアには高いスペックが要求されます。現在は主にRasPi 3のモデルBを使用していますが、快適と言えるほどサクサク動くわけではありません。ましてや初期のシリーズ等はもはや実用にならないほど処理が重くなっています。プログラムを走らせるにしても、いちいちOS上から操作しなくてはなりません(Python IDEを使う場合)。色々なことが手軽にできる反面、やはりスペックに見合うだけ高価でもあり、電力消費も大きくなってしまいます。純粋な(低レベルでの)制御を考えた時、このコンピューターの選択は正しいとは思えません。


Arduino UNO
実験に使用するのは小型ボードコンピューターのArduino。学習用のマイコンとしても広く使われています。

そこで、制御に特化した形で手軽に使えるものは無いかと考えた時、真っ先に候補に上がったのがArduinoとPICだったわけです。RasPiはそれに適した高機能のアイテムの開発に活用し、一方で電子工作~実用的な装置に至るものは、こちらに新たなコーナーを開設して始めることにしました。私自身は元はエンジニアでもあった時期もあるので、ある程度の知識や経験は持っていますが、ArduinoもPICも全くの初心者です。我々の子供の頃は自作が当たり前のような時代でしたが、青年になった頃には部品を集めて組み立てるよりも完成品を買った方が安くなるような状態だったので、いつの間にか自作の夢もしぼんでしまっていたのです。ましてやマイコン制御機器を作るなど、様々な面でハードルが高くて手を出せない状況が長く続きました。ところが今や電源にしてもセンサー等にしても、モジュールレベルで安価に入手でき、ホビー感覚でハイテク機器を作ることができるようになりました。そんな時代になったことを感謝しつつ、実験を通して自身が興味を持ったモノをどんどん作っていきたいと考えています。



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