3.Raspberry Piの実践

最近(2015年の初旬)知人の紹介で面白そうなアイテムを知りました。Raspberry Piと呼ばれる超小型のボードコンピューターです。昔からボードマイコン等の名で似たようなものは色々はありましたが、開発ツールやボード等基本的なものを揃えるだけでかなりのコストがかかり、開発環境を整えるまでの作業にも四苦八苦でした。更にマイコンを使いこなそうとすれば覚えることが山ほどあって、その道を志す人間でも無ければ容易に手を出せる代物ではなかったのです。かねてより学生でも手軽に入門できて、実際に使える技術が身に付き、更に実用にもなるものが無いかと思ってきました。

どうやら、Raspberry Piはそうした目的にぴったりのように見えます。しかも、これはマイコンの域を超えてほとんどパソコンです。LinuxベースのOSが走り、外部機器の制御までもできる優れものなのです。WindowsやMac等の一般的なパソコンは、インターネットに接続したり文書作成や画像処理等、ディスプレイ上で何かを行うには優れていますが、外部の機器を動かそうとすると途端にハードルが高くなります。その点、制御ボードの意味合いが強いRaspberry Piのような小型コンピューターは、価格も安く入手し易いために、こうした目的の入門用には最適です。学校の授業用教材にも使われているとのことなので、将来性にも期待が持てます。

丁度ボードコンピューターで実現してみたいものもあったので、この際は実物に触れて体験してみるのが一番だと考えるに至りました。そんなわけで、勉強を兼ねて自ら実践してみることにした次第です。このコーナーではその過程を手記の形で紹介しようと思います。とにかくRaspberry Piなるものの知識は全く無いので、実践するに際してテキストとして下記の書籍を参考にすることにしました。以前に職場の同僚であった人の著書です。興味ある方は本書を手にしてこのコーナーとお付き合い頂くと良いでしょう。2024年の初頭段階で第4版にまで改訂されているので、本コーナーの内容(初版を元にしています)とは異なる点があることをご承知置き下さい。最新刊ではPython3にも完全対応しているとのことで、安心して学習を進められると思います。

なお、内容は加筆・訂正等により適宜手直しを行っているため、初期掲載時とはかなり変遷しています。対比のためなるべく原文も残すようにしていますが、至らない点はあろうかと思います。ご了承下さい。

<参考書籍>
「みんなのRaspberry Pi入門」
石井モルナ・江崎徳秀 著
リックテレコム社刊

写真はRaspberry Piの参考書(左)と本体パッケージ(右)。名前に因んだお菓子の箱のようでユニークです。コンピューター自体は思ったよりもかなり小さく、手の平にも楽々乗る感じです。(中身については本文にて)

ラズベリーは、バラ科キイチゴ属に属する果実です。なんでこんな名を付けたかと調べてみると、パソコン黎明期の名機には果実に因んだ名(Apple II等)が多かったからだとか。Piはプログラム言語Pythonに由来しているようです。

なるほど、果実からは種がこぼれ落ち、やがて種は大地に根を下ろして育ち立派な木々となります。最初は1つの果実だったものが、長い年月をかけて大きな森を作るに至ります。黎明期のコンピューターを果実に例えたのも、大いなる繁栄への願いが込められていたからではないでしょうか。その想像力に敬意を払いつつ、学習を進めたいと思います。





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