2.ジャンクパラダイス

ジャンクとは本来は「がらくた」を意味する言葉で、一般的にパソコン等の電化製品においては、動作確認のとれていないものを指します。必ずしも故障品というわけではなく、普通に動作して使えるものもあるし、仮に動作しなくても部品レベルで価値があるものもあります。中には壊れていることを確認した上で、未確認ジャンクとする悪質な輩もいる(オークション等に多い)ので要注意です。商品自体が古かったり動作確認が面倒だったりと、ジャンクになるには様々な理由がありますが、廃棄同然の商品扱いのため、格安で入手することができる特長があります。ジャンクは興味の無い者にとっては単なるゴミでしかありませんが、それなりに知識がある者にとっては宝の山でもあります。より良い物を発掘する一種の宝探し的な要素もあって、ジャンカー達にとってはたまらない魅力があるのです。

そんなジャンカーの一人である私は、暇さえあれば中古屋やオークション等でジャンクを漁っています。ジャンクと言えばやはり聖地「東京の秋葉原」で、今でも上京の際は必ず訪れる場所です。しかし、昨今ではむしろマンガやアニメのオタク文化の聖地になり、きれいでファッショナブルな店も増え、かつてのような趣が失せつつあります。時代の変遷で止むを得ない面もありますが、それでも中心部から離れて裏通りの路地へ入ると、怪しげな部品を売る店があったりして、まだまだ捨てたものではないのかもしれません。


ジャンクはロマンだ!
1980年代、東京近郊に住んでいた私は、ジャンクを求めて秋葉原の裏通りを探索して回ったものです。ちょうどMacが台頭してきた頃で、やがて訪れるコンピューター社会を垣間見ることができた時代でした。

このコーナーではそうした中で得たジャンクの一端を紹介し、その活用法等を探りたいと思います。ジャンクの中には稀に新品同様や未使用のものもあったり、普通に買えば非常に高価なものも含まれます。パソコン等は今や動作する中古品よりも部品にバラした方が価値がある場合も多く、こうした逆転現象には少々複雑な心境にかられるのも確かです。そんな背景もあって、再生をあきらめてばら売りすることも最近では多くなりました。それでもジャンカーのポリシーとして、可能な限りは修理し再整備して余生を送らせたいと考えています。

参考までに、私の考えるジャンクの定義を書いておきましょう。個人的にはジャンク三原則として世間に広く提唱したいくらいです。
1.安くなければならない。
 1,000円以下をひとつの目安にしています。もちろんモノによっては高額になることもあります。それでも上限は1万円程度でしょうか。
2.利用価値がなければならない。
 まったく役に立たなければタダのゴミです。例え一部でも利用できることが重要なのです。
3.きれいでなければならない。
 ジャンクと言えども見た目がゴミなのは敬遠したいところです。ただし部品取り最優先の場合は例外とします(不要部分は廃棄)。

そんなわけで理想を言えば、安くて利用価値があり新品のような外観のものが最高です。そんな都合が良い物があるのか? と言われれば、実はあるのです。最近の機器はコンピューターを駆使した複雑な物が多く、壊れていなくてもそのような状態に見えたり陥ることがあります。データ保持用の内臓電池(ボタン電池)が切れたために起動しないパソコンは良い例です。また、機器に不慣れな人が正しい操作方法を知らず、勝手に壊れていると判断したものも結構多くあります。他にもベルトが伸びてトレイが出ない光学ドライブや、テープが回らないカセットレコーダーやVTR等、些細な部品の劣化が起こす重大な故障があります。それなりに知識があれば簡単に直る場合もあるので、ジャンカー達はこうした物に常に目を光らせているのです。


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