2.イラスト集

DTP/デスクトップパブリッシング

イラスト集を語る前に、重要な概念であるDTPについて説明したいと思います。DTPとはデスクトップパブリッシングの略で、机上出版と訳すことができます。机の上のパソコンを使って出版ができることから名付けられました。この技術は1980年代半ばにApple社のMacintoshで実用化されたものです。それまでは印刷用の版下制作は全くの手作業で、台紙にイラストや写真を貼り込み、写植と呼ばれる文字を別に打ち出し、切り貼りして仕上げるという大変な手間のかかる作業でした。しかも印刷業界は完成までの変更作業が日常茶飯事で、非常に低い効率の中で仕事が行われてきたのです。その環境を一変させたのがDTPで、一連の版下制作工程をコンピューターの中で完結させることで飛躍的に効率が向上しました。おかげでDTPは瞬く間に業界に広がり、90年代の終わり頃には主力の座に君臨するまでになったわけです。COSMOLIGHTでは90年代前半の早期にDTPを導入し、イラストや商業印刷における版下データの制作を開始しました。当時はコンピューター環境が十分整っていないこともあり、データ作成には大変な苦労をしたことを思い出します。

そんな中で長年培った技術を活かして、イラストデータをまとめあげたのがCOSMOLIGHTのイラスト集です。多くのイラストは実際に自治体の広報や各種冊子、企業・商店等の会報や広告のために描いたもので、実用性とオリジナリティを重視しました。中でも福祉や環境・資源等に関連するテーマに力を注ぎ、最初にCDメディアでイラスト集を発表した当時は、ほとんど例が無かったと思います。この分野のイラスト集の草分け的な存在であり、現在市販されている他の素材集などにも片鱗を見かけることがあります。

一口にイラストと言っても、DTPの世界では2種類の異なる性質のデータが存在します。1つは普通の絵画や写真に代表される点の集合体としての「ビットマップ」、もう1つはDTPのために生まれ、特殊な手法で描かれた「ドロー」と呼ばれる数式で記述された絵です。ドローは別名ベクター(ベクトル)グラフィックとも呼ばれます。後者はイメージとして捉えるのが難しいですが、図版や図形に近いものと考えるとわかりやすいかもしれません。技術の進歩でドローもビットマップに近いイラストが描けるようになり、中にはビットマップのような細密なドロー画まであります。ドローの最大の特長は解像度(印刷なら極小となる点の緻密さ、液晶画面なら画面の画素の緻密さ)に依存しない点で、拡大・縮小によって画質が劣化することがありません。DTPによって自由な文字デザインやサイズが実現したのと同様に使い勝手が非常に良いため、ドローによるイラストも今では盛んに描かれ活用されるようになりました。

COSMOLIGHTのイラスト集は、大きく分けてビットマップとドローの2種類を用意しています。

 

フォトレタッチソフトのスタンダードPhotoshopのPSD形式で描いたイラストをベースに、PSDJPEGEPSの3種類のデータ形式をラインナップしました。特にPSD形式では、マルチレイヤーを利用した複合イラストも多数含まれており、色々なバリエーションで活用できます。なお、EPSはビットマップとドローの両方を扱うことができるため、ビットマップからコンバートして作ったEPSはこちらに分類しています。

 

ビットマップイラストをまとめたものがイラスト集-Bシリーズです。ビットマップの柔らかいタッチが特長で、個性的なキャラクターも多数収録しています。

 

ドローソフトのスタンダードIllustratorのIL(現在のAI)形式のイラストをベースに、AIJPEGEPSの3種類のデータ形式をラインナップしました。特にAI形式では、データ容量が小さく高品位出力が可能なドローの利点を活かして、商業印刷の分野でも幅広く活用できます。こちらのEPSはドローからコンバートして作ったため、ドローとして分類しています。

 

ドローイラストをまとめたものがイラスト集-Dシリーズです。図形のような硬質なタッチが特長で、特にAI形式のデータはベジェ曲線を編集することで様々なバリエーションの作成も容易です。

 

■ イラスト集に関連する次の説明もお読み下さい。
●画像ファイル形式・画像モードに関する説明
●グラフィックソフトに関する説明
●著作権に関する説明


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