8.デザイン重視の「MIRAGE」

Salaが完成した後、電子ブックについてもネット配信専用サービスを立ち上げようと専用のビューワーを考案しました。それがAD-BOOK「MIRAGE」です。基本的な動作の考え方はSalaと同じで、プラットフォームは作品カテゴリに分かれたメニューページになっています。メインサイト上にアップしたMIRAGEを直接見る場合は、このメニューを経由して見たい作品をユーザーが選択します。カテゴリには色々な作品が登録されているため、まとめてそれら閲覧できるわけです。将来的に閲覧を有料サービスとしても使えるように、ユーザー毎にログインするようなシステムを導入したいと考えていました。

ネットでのセキュリティを確保するために、MIRAGEでもPHPの技術を使って起動画面を表示するようにしています。MIRAGE本体はローカルでも動作しますが、PHPはサーバー側で動作するもののため、結果的にネット専用となっているわけです。せっかく作品をネットで見るわけですから、いずれMIRAGEにも作品を公開している作家のデータやホームページへのリンク等を備え、シームレスに様々な情報にアクセスできるようにとの思惑がありました。つまり、作家と連携する形でより多くの情報を提供しようと考えたわけです。結果的にSala同様にネット配信は実現しませんでしたが、構想が実現していれば面白い展開も見込めたのかもしれません。

MIRAGEはデザインを重視して、他のAD-BOOKとは異なる外観とインターフェースを実装しました。下図がその見本です。

 

MIRAGEではブックサイズを固定にして、標準モードは見開きで、拡大モードは単ページ表示により2倍のサイズで見ることができる環境を実現しました。マンガ等ではあまり必要性は感じませんが、文章や図面主体の緻密な内容の場合は、スクロールでは無くサイズ自体を大きくして見せるのが好ましいと考えてのことです。そして、これまでのような章タイトルやページ番号の他に、読んでいるページが全体のどの位置にあるかを直接把握できるように、ページ情報バーを下部に配しました。このバーが優れているのは、単に位置表示だけでなく、マウスで任意の場所をクリックすることで、ダイレクトにページ移動できる点にあります。更に、ページ移動ボタンは下部のコントロール部にもありますが、メインウインドウの左右にも配置していて、ボタン上をマウスカーソルが通過するだけで機能するようになっています。クリックする必要が無いため、より簡単にページめくりが可能で、例えば身体的な障害でマウスをうまく扱えなくても、電子ブックを楽しめるように配慮しています。

ナビやサウンド、自動ページ送り機能等も他のAD-BOOKシリーズ同様に搭載していて、ブックビューワーとしても集大成を目指しました。また、新たな機能として簡易的に印刷もできるようにしています(作家が許可した場合のみ)。電子ブックの外観サイズを固定にしたことで、拡大表示を可能にしたことは大きなメリットですが、逆に表示するモニターを限定する結果にもなりました。MIRAGEのウインドウよりも小さな画面では表示できませんし、大き過ぎるモニターでは不自然に小さなウインドウでしか見られません。数種類のビューワーを用意しておき、コンテンツによって切り替える方法もありますが、色々な面で煩雑となりオールラウンドでの使用はあまり現実的では無さそうです。ある意味限界に突き当たったわけで、ネット配信サービスの断念と共に、MIRAGEの更なる発展はありませんでした。

準備中・・・




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